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33人

今から7年前の今日・2010年8月5日・・・世界中から注目を浴びた出来事が起きたことを、皆さんはご記憶でしょうか? それは


 コピアポ鉱山落盤事故


同鉱山は、奇しくもこの年建国200周年を迎えた南米・チリ共和国のアカタマ州コピアポから45km離れた場所に位置し、銅や金を採掘する小さな鉱山でした。


  

チリは銅の生産シェアが世界の35%、リチウムの生産量世界一を誇る鉱山国として長い歴史を持ちますが、反面採掘現場の安全管理は杜撰そのもの。

毎年のように作業員が死亡しており、2009年には443人、2010年は第一四半期だけで155人が犠牲に。

そんな中で起きたのが、この崩落事故でした。


過去にも死亡事故が起きたため政府から坑道の補強を警告され、また一度は閉鎖されたのに何らの対策を取らぬまま操業が再開されたこの鉱山の落盤により、33人(チリ人32名、ボリビア人1名)の作業員が、地下約630mの坑道に閉じ込められてしまったのです。

しかし(失礼ながら)ここまでは、チリの鉱山ならよくある話。

この事故が突如脚光を浴びたのは、生存が絶望視する中で事故後17日が経過した8月22日。

地下700mにある避難所に直径8cmのドリルで穴を開けて引き上げたところ、33名全員が生きているというスペイン語のメッセージが書かれた紙片が括りつけられていたから。

       

この生存が確認されるまで、33人の鉱夫たちはリーダーを決めた上で1人1票の民主主義を徹底して統制を取り、バックホーで地面を掘り返して水を確保する一方、残り少ない食料を皆で分け合ったとか。

その分量は、1日置きに1人小さじ2杯のマグロの缶詰と牛乳一口、それにビスケット1枚・・・よくぞ奪い合いにならなかったものです。

それでもドリルが貫通して生存を知らせた時には、食料は残り1,2日分だったそうですから、本当にギリギリの状況。

地上との連絡が取れる前の絶望的な状況下で起きたことは、救出後も口外しないよう皆で誓い合ったそうですから、かなりの修羅場があったのでしょう。

細いドリル穴から食料・医薬品の供給が行われると同時に、救出用のやや太い穴の掘削が進められ、日本からはNTTが双方向通信に必要となる折り曲げ自在の光ファイバーケーブルが提供されるなど、各国からも様々な支援がなされると同時に、救助作業の様子を取材すべく世界中から報道陣が殺到する中、10月10日に救出用の細いトンネルが貫通。

そして事故から69日後の10月13日午前0時11分(現地時間)に最初の鉱夫が引き上げられると、順に1人ずつ救出され、最後の1人が無事地上に戻ったのが約24時間後・・・丸1日かかった感動の救出劇でした。

  

救出の様子を生中継したテレビの国内視聴率は最高で84.4%にも及んだそうで、この事故の半年前に起きた大地震で甚大な被害を受け、略奪行為などが頻発したチリ国民の荒んだ心に大きな癒しをもたらしたといいます。

この救助に使われたカプセル〝フェニックス〟は直径60cm。


肉体労働者が入るにはかなり細身ですが、彼らはごく少量の食料で食いつないでいたため1人平均で10㎏も体重が落ちていたそうですから、それが功を奏しました。

私だったら、絶対入れないですワ。

この崩落事故の救出劇に関して詳しく知りたい方には、共同通信社の記者が現地に入って取材・執筆したこちらの本をお勧めします。


検証・チリ鉱山の69日、33人の生還-その深層が問うもの
                        (名波正晴・著 平凡社・刊)


       


救出された33人は一転して国民的ヒーローになり、サッカーの名門マンチェスター・ユナイテッドから招待されたり、東京マラソンを走った人もいたり。


またこの事故の映画 『チリ33人 希望の軌跡』(日本では2016年公開) に出演をオファーされた人もいたり・・・。

         

ただ、中には愛人の存在が明るみに出てしまった人もいましたが、基本的に彼らの殆どは再び鉱夫には戻らなかったそうな。

しかし一時はチヤホヤされても、やがては普通の生活に戻らざるを得ず、多くの人は年金生活を強いられ、中にはアルコール依存症など健康を害する人も。

この映画のラストにすっかり顔がふっくらした彼ら本人たちの映像が出てきますが・・・あの事故から7年経過した今、33人はどんな生活をしているのでしょう?

芸能人の〝あの人は今〟には興味ありませんが、死の淵から生還した彼らの現在が気になります。うー


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