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好敵手

今日は、クイズからスタートです。

日本人で初めてオリンピックで金メダルを獲得したのは、誰でしょう?

・・・って、ちょっと優しすぎたかもしれませんネ。


正解は、1928(昭和3)年のアムステルダム大会の三段跳びで15m21を記録した、織田幹雄選手。

この記録を記念して、(既に取り壊された)国立競技場のメインポールの高さは15m21だったのですが・・・では、ここでもう1問。

次のロサンゼルス五輪で、その記録を上回る15m72を叩き出して日本人連覇を達成し、その偉業を記念して札幌円山競技場のメインポールの高さになっている〝北海道の星〟といえば、誰?

スポーツに詳しくないと分からないかもしれませんが・・・正解は、

 南部 忠平 選手


今日は織田選手とは終生のライバル・親友であった、この日本を代表するアスリートの命日・没後20周年にあたります。


南部選手は、1904(明治37)年に現在の札幌市で生まれました。

北海中学(現・北海高等学校)3年生の時に、抜群の運動神経を見込んだ先輩から短刀をちらつかされて〝徒歩部(陸上部)〟に入部させられたそうな。

しかし持ち前の負けん気から、札幌の百貨店の階段で練習をして店員に叩き出されたり、冬場に運休した札幌市電のレールをコースに見立てて練習したり、また札幌競馬場の競走馬や蒸気機関車の動輪の動きを見て走法の研究をしたりと人一倍かつ独自の努力を重ね、〝北海中に南部あり〟と言われるように。

そして中学卒業後、父親が亡くなったため一旦は札幌鉄道局に就職したもののオリンピック出場の夢を発てなかった彼は、退職して早稲田大学に進学すると、1年先輩の織田幹雄選手(※生まれは南部選手が10ヶ月早い)と共に猛練習を重ねます。

<この時、風呂場で織田先輩の背中を流しながら筋肉の付き方を観察したとか。


その織田選手が金メダルを獲得したアムステルダム五輪・三段跳びでは4位に入賞。

翌年早大を卒業し満鉄に就職した彼は、半年後に大阪の美津濃(現・ミズノ)に移籍。

次のロサンゼルス大会で見事に15m72の世界新記録で優勝し、日本人連覇を達成したのです。

       

(※更に次の1936年・ベルリン大会でも田島直人選手が優勝し、日本人選手3連覇を達成。 現在では考えられない夢物語ですネ。)

南部選手は、同大会の走り幅跳びでも銅メダルを獲得・・・しかし南部選手にとって、走り幅跳びの方がメイン種目だったんです。

この走り幅跳びでは、ロス五輪前年に7m98という世界新記録を樹立したのですが、この記録は1970年に山田宏臣選手が日本人として初めて大台を突破する8m01を記録するまで、40年近く破られませんでした。

それだけにこの種目で金メダルを期待されていたのですが、結果は3位。


落胆はしたものの、その2日後に行われた三段跳びでは気楽に跳んで見事金メダル・・・勝負とは、分からないものです。

また彼は100m走でも〝暁の超特急〟吉岡隆徳選手と競り合い、日本選手権では2度優勝し、10秒5の日本記録を出したことも。

まさに日本のトップ・アスリート・・・現在のような軽量スパイクと全天候トラックで彼を走らせたり跳躍させたら、一体どれだけの記録が出たんでしょうネ?

金メダル獲得から1ヶ月後に、かねて婚約中だった久子夫人と五輪用ブレザーを着用して挙式。


アキレス腱切断を期に30歳で現役を引退した後は、ロス大会直前に転籍した大阪毎日新聞の運動部長から日本陸上競技連盟の強化部コーチ、1964年東京五輪の陸上チーム監督に。

その後1970年には五種競技で活躍した愛娘の敦子さんを交通事故で亡くす不幸に見舞われながらも、大学教授や学長を歴任。


陸上界の発展や若者の育成に貢献され、1997(平成9)年7月23日に、93歳で大往生を遂げられました。

       

南部氏の自著 『紺碧の空に仰ぐ感激の日章旗』 (ベースボールマガジン社・刊) を読むと、170センチ足らずの身長で世界記録を出すには、生まれ持った才能に加えて弛まぬ練習と創意工夫の積み重ねがあったからだと痛感させられます。

またそれを為し得た背景には、織田選手というライバルの存在が大きかったのではないでしょうか?

後年、織田選手は兄弟以上に仲の良かった南部選手がロス五輪で金メダルを獲得した姿を見て

「南部君の強さは走り幅跳びだけではなく、三段跳びに本当の力があったのだが、私への遠慮からこれまで走り幅跳びを守ってくれたのだと分かった。」

と述べておられますが、そんなところにも南部選手の美学・友情を感じる次第。

あらためて往年の金メダリストのご冥福をお祈り致します。笑3


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