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解 釈

少年・少女時代にこの本を読んだ方、相当数に上ると思います。

これまで全世界で8,000万部以上、日本だけでも640万部以上売れ、児童文学書として大ベストセラーを記録した、

 『星の王子さま』


がアメリカ・ニューヨークで初出版されたのが、今から72年前の今日・1943年4月6日のことでした。


本書の原題は、“Le Petit Prince ”・・・原作者はフランス人で若い頃から空を飛ぶことに憧れて空軍に入隊し、その後も民間パイロットとして活躍した異色の作家のアントワーヌ・ド・サン=テグジュベリ。

なのに、地元フランスでの出版は2年遅れての1945年。



それは何故かというと、彼がドイツに占領されたフランスから逃れ、アメリカに亡命した後にこの作品を発表したから。


(しかし彼はアメリカで志願して飛行隊に入り、搭乗した飛行機共々1944年7月に地中海上空で行方不明に・・・44歳でこの世を去ってしまいました。)


ちなみに日本では、独占的な翻訳権を入手した岩波書店から1953年に出版されています。


      


ある日、サハラ砂漠の真ん中に不時着した飛行士〝ボク〟が1人の不思議な少年に出会います。

その少年こそが、ある惑星からやってきた王子でした。

彼が旅の話を打ち明ける中で、ファンタジックにストーリーが展開されていきます。

私がこの本を初めて読んだのは小学校5年生くらい。

オヤジが買ってきて読ませてくれたのですが・・・正直、〝?〟 って感じ。


何が言いたいのかが分からず、印象に残ったのは作者自身の描いたカワイイ王子様の挿絵くらい。

しかし社会人になって読み直してみると、その内容には大人の世界に対する皮肉というか示唆が多分に含まれていることはある程度分かりました。

さて、日本では岩波書店が所有していた翻訳権が2005年に切れ、その後新訳本が次々と出版されており、現在では20種類近くの書籍やCDが発売されています。


翻訳モノゆえ訳者によって文章や解釈は様々ですから読み比べてみるのも面白いですが、昔この作品を読んだ大人の方に、私はこんな本をお勧めします。



『星の王子さまの世界―読み方くらべへの招待』

                      (塚崎幹夫・著 中公新書・刊)
     
    
               
         


同書は、言ってみればサザエさんの解説本 『磯野家の謎』 の〝星の王子様版〟という感じ。

京都大学卒で富山大学文学部教授の著者が、この児童文学を世界史と照らし合わせて読み解きます。

その解釈を評価するか、あるいは深読みし過ぎだと思うかは、読んだ方次第・・・ですが、一読の価値はあると思います。

個人的には、飛行士だった作者が第二次世界大戦中に出版したことからして、この本で筆者が読み解く解釈には、なるほど・・・と唸る箇所が多々あります。

してみると、『星の王子さま』 は児童文学などではなく、大人向けの風刺小説と言った方が正しいかも。

幻想的なイメージを壊したくない方はともかく、この作品のウラ読み(?)をしたい方には、ご一読をお勧めします。

ただし本書は30年以上前の出版ですので、興味のある方は中古本をネット通販等で探してくださいネ。



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