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而 今

今日は、我が愛読誌・月刊 『致知』 5月号から、致知出版社・藤尾英昭社長の巻頭エッセイを一部編集の上、以下にご紹介致します。

          ◆     ◆     ◆     ◆

「その時、どう動く」 ・・・ 書家の相田みつを氏は、しばしばこの言葉を書にしている。

大事な折節にこの言葉を自問自答されたのだろう。

人生にはさまざまな〝その時〟がある。
加齢からくる〝その時〟は男女の別なくやってくる。

誰にも例外なく訪れる〝その時〟は、死である。

その時を迎えてどう動くか? 人間にとって、永遠のテーマであろう。

先日ふと見たテレビのトーク番組に、歌手の加山雄三さんが出ていた。


          

今年80歳とは思えぬ若々しさだが、父親の上原謙さんが事業に失敗、その後始末で大変な苦労をされた時期があったという。

「ああいう時、普通は目や背中に憔悴感が出るものだが、加山さんは全然変わらなかったですネ。 どうしてですか?」

という相手の問いかけに、加山さんはこんなふうに答えた。

「おばあちゃんのおかげです。 おばあちゃんは僕が子供の頃から何かあると、お前は今試されているんだ、と言っていました。

また荷物が重いのではない、自分の力が足りないのだ、とも言われました。

この2つの言葉が僕を支えてくれたのだと思う。」

〝その時〟を、加山さんはおばあさんの言葉で乗り切ったのである。

人生には3つの〝さか〟があると、よく言われる。
上り坂、下り坂、・・・そして、まさか。

上り坂・下り坂の時は、そういう坂に来たのだと心の準備がまだできる。

だが、突然来る〝まさか〟は準備する余裕がない。
〝まさか〟は人生最大・最難の時と言える。


その時、どう動くか?

本誌で何度か紹介させていただいた常岡一郎氏(宗教家・文筆家 1899-1989)の〝その時〟は、慶應義塾大学卒業直前にやってきた。

肺結核で喀血したのだ。 
当時の結核は死の病。 


病床で悶々とする日々の中、ある人の

「比叡山も高野山ももとは奥山。 そこに徳の高い人が住み、訪(と)う人が絶えぬ都になった。
あなたも徳を積んで病気と縁を切りなさい。」

という言葉に翻然とし、大学を中退。 トイレの掃除用具を柳行李に詰め、全国各地を奉仕修業、

「病いを治すことを止め、病いで自分の性格を直す」 ことに全身全力を尽くして15年、遂に結核を完治した。


          

その常岡氏の言葉。

「どこに投げ出されても、だるまは転がっていく。
そして、踏みとどまったところですっくり立ち上がる。
その重心が重く、低いところにあるからである。

人もそうである。

どんなところに投げ出されてもよい。 
行き詰まり、止まったところで直ぐ立ち上がれる人にならねばならない。

そのためには心に徳を積み上げていかねばならない。
力に満ちた、低い、豊かな魂の人にならねばならない。」

この覚悟で生きる人は、あらゆる〝まさか〟を超えていく人であろう。

『而今(にこん)』 という禅の言葉がある。


人生には今というこの時しかない。
一瞬一瞬が勝負の時という自覚を持って生きよ、との教えである。

〝その時〟は突然来るのではない。
今がその時、その時が今…この自覚をもって日々を務め切る。

そこに〝その時、どう動く〟の解があるように思える。


          ◆     ◆     ◆     ◆

  

而今・・・毎朝自分に思い聞かせたい言葉ですネ。笑3


 


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