FC2ブログ
フィルム

皆さんは、『イーストマン・コダック』 という会社名を耳にしたことがあると思います。

一般的にコダックと呼ばれる世界最大のフィルム・メーカーですが、今日は同社の創業者にしてカメラの大衆化に貢献した発明家、


 ジョージ・イーストマン

   George Eastman 

の命日にあたります。


     


イーストマンは、1849年にニューヨーク州ウォーターヒルで農場と学校を兼営する父の末っ子として生まれました。

しかし7歳の時に父親が急死したため学校経営は頓挫し、一家は苦しい生活を強いられたため、イーストマンは14歳で学校を卒業すると保険会社に勤務し、その傍ら経理の勉強をした苦学生でした。


どちらかというと文系の道を歩んでいた彼に人生の転機がやってきたのは、24歳の時。

休暇旅行を計画していた彼に、友人が写真を撮ることを勧めたのです。

しかし当時の写真機は大きくかつ取り扱いが複雑で、撮影直後に現像しなければならない代物。

何とか簡単に写真撮影が出来ないか・・・それに没頭するようになった彼は、それまでの湿板から乾板に注目。

3年間も実験を繰り返した後、1880年に乾板とそれを大量生産出来る機械双方の特許を取得すると、勤務先を退職してH・A・アームストロングと組んで翌年に『イーストマン乾板会社』を設立。


更に1888年、〝コダック(Kodak )〟の商標登録を取得した同社は、世界初のロールフィルム・カメラ〝No.1コダック〟の特許を取得すると、

「シャッターを押しさえすれば、後は我々にお任せを」
  “You press the button, we do the rest

という謳い文句で、10ドル支払えばフィルム現像と新しいフィルムを装填するサービスを引っ提げて業界に参入。


 

   1888年製のコダックカメラ        1880年代の乾板ボックス


フィルムを始めとする写真関連製品の分野で高いシェアを占め、また世界で初めてデジタルカメラをも開発。

アシスタント1人だけだった設立当初から、13,000人もの従業員を抱える大企業へと急成長を遂げました。

※ちなみに〝コダック〟という社名は、力強くシャープな感じがすると同時に、イーストマンのお気に入りでもあった〝〟で前後を挟む単語を何通りも考えた挙句に生まれたもので、単語そのものに意味はないそうな。

カメラ業界の過当競争を見越してフィルム製造に重点を置き、逆に他のカメラメーカーと良好な関係を築くなど秀でた経営手腕を発揮した彼は、大変な篤志家でもありました。

1919年には保有する自社株1/3を従業員に譲渡したり、退職年金・生命保険・傷害補償制度を創設するなど従業員の福利厚生に心を砕いたばかりでなく、1925年に経営から手を引いた後は複数の大学や医療施設などに多額の寄付を行い、しかもそれを会社の営利には利用しなかったとか。

そうした篤志活動は、1907年に他界した最愛の母親に十分な孝行が出来なかった後悔の裏返しだったのかもしれません。

そして晩年、立ったり歩くことが困難な脊椎管狭窄症とみられる症状に苦しんだ彼は、今から85年前の今日・1932年3月14日に、

 「友よ、仕事は終わった。 なぜ待つのか?」
 “To my Friends, My work is done..Why wait?


という遺書を残し、77歳でピストル自殺を遂げたのです。

従業員や他人のために尽くした人が、何故こんな最期を迎えなければならないのか?・・・人生の無情を感じざるを得ません。

あらためて人々にカメラ文化を広めた功労者のご冥福をお祈り致します。笑3


             人気ブログランキング

スポンサーサイト



コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック