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おもてなし

和倉温泉にある、旅館・加賀屋

1906(明治39)年に創業したこの老舗は、『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』で1981年から36年連続・総合1位を獲得したことで、観光業界だけでなく多くの人々にその名を知られています。

この有名旅館で55年間女将を務めている小田真弓さんのインタビュー記事が、月刊『致知』4月号に掲載されていました。

日本一の旅館が心がけている〝おもてなし〟とは何か?
以下に抜粋・編集にて、ご紹介致します。

          ◆     ◆     ◆     ◆


小田さんの女将業の見本は、義母である先代の女将さんなのだそうな。

そのお義母さんが嫁いできた時の加賀屋は、和倉で一番小さかったそうですが、ある日小さな子を抱えて朝早くから仕事をしていたため、ついうつらうつらして港への出迎えに遅れてしまったことがありました。

その時にお客様から 「一番小さな旅館の女将が、最後に出迎えに来るとは何事か」 と怒鳴られたそうな。

その時に 「今に見ていろ、必ず日本一にして見せる」 と心に誓ったといいます。

その意地が、今日の加賀屋を作り上げたと言っていいのでしょう。

先代女将の教えを受け継ぎ、更に時代に合わせて変化・進化させた小田さんは、こう仰っています。

「お客様と親しくなり過ぎるのはいけませんけど、やはり自分の家族や親戚、友達が来たような温かい気持ちでお迎えする。

お客様がいまどうしてほしいかってことに気が付いて、して差し上げる。

その喜びが自分の喜びになる。

それと同時に、うちで仕事をしてくれている社員はみんな家族だと思っています。


ですから具合が悪くなれば病院に連れて行くし、困ったことがあれば相談に乗って助けてあげる。

やはりお客様の満足度と社員の満足度が一緒じゃないと、いいサービスは提供できません。」

「加賀屋には一応マニュアルがありますが、マニュアル通りにやっていても50点しか取れないよ、と客室係に伝えています。」

その小田さんが考える〝おもてなし〟とは、〝笑顔で気働き〟することだそうです。


   


このインタビュー記事で印象的だったのは、加賀谷さんのトラブルやお客様からのお叱りの対処。


小田女将は、こう仰います。

「私も若い頃は毎日のように怒られて、神戸や大阪まで謝りに行ったこともあります。 でもそうやって怒ってくださったお客様がまた加賀屋に泊まりに来られた時の喜び。 これは言葉では表現し難いものがあります。

だから、何時間怒られようと、最終的には納得して、気持ちよくお帰りいただくことが大事なんですね。

逆に、何も言わずに黙って帰られる方は、もう二度と来て下さらない。


クレームを言って下さる人、怒ってくださる人は本当のお客様というか、神様ですね。

怒られた時は絶対に言い訳をしない。
ただひたすら正座をして、座り直すこともせず、お客様のおっしゃることを黙って聞き、申し訳ございませんと謝る。

ある時にはそれが丸一日続いたこともあります。 


最終的には「もういい」ということで帰してしただいたのですが、その後の食事の時にも何かあったら困ると思い、廊下で待機していました。

そういうのをお客様は見ていないふりをして、ちゃんと見ていらっしゃるんですね。

そのお客様は、『また来るよ』 と言って、笑顔で帰られました。


だから自分たちが起こしたことを誠心誠意反省して尽くしていれば、その気持ちは必ず相手に通じるのだと思っています。」

          ◆     ◆     ◆     ◆


実は加賀屋さん、30数年前と昨年の2回、食中毒を起こしてしまったそうな。

それでも評価が下がらないのは、トラブルやクレームから逃げず、誠心誠意対応する姿勢を長年続けてきたからでしょう。

同じサービス・接客業に従事する者として、日々の心配りの積み重ねとクレーム対応の大切さを、改めて認識させられました。


同誌の別記事で、過疎化が進む山陰地方で業績を伸ばし続ける工務店・島根電工の荒木恭司社長が、こんなエピソードを紹介していました。

「蛇口が水漏れするから修理して欲しい」という依頼を受けて社員が直したのですが、お客様が「蛇口を新品に換えて欲しいとは頼んでいない。何で勝手に換えたんだ」 とお怒りに。

しかし派遣された社員は、新品に換えていなかったんです。
お客様がそう勘違いされるくらい、ピカピカに磨いたのです。


小田女将の仰る〝マニュアル以外の50点〟は、こういうことを指しているんでしょうネ。笑2


 


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