FC2ブログ
セールスマン

今日は、20世紀アメリカを代表する劇作家、


 アーサー・アッシャー・ミラー

    Arthur Asher Miller


の命日、仏教でいうなら十三回忌にあたります。

ミラーは1915年にニューヨークでユダヤ系の比較的裕福な家庭に生まれましたが、14歳の時に父親が勤める衣料品の製造工場が折からの大恐慌の煽りを受け倒産。


父親はセールスマンに転職し、ミラー自身も大学の学費を稼ぐため高校時代に自動車工場で働いたといいます。


ミシガン大学入学後に演劇を学び、劇作家を志望して在学中からラジオドラマの脚本を書き始めた彼は、1944年に 『幸運な男』 でブロードウェーに進出。

1953年には、当時アメリカで吹き荒れた〝赤狩り〟を魔女狩りになぞらえて批判した『るつぼ』を発表。

しかしこの作品が問題視され、彼は議会で喚問を受け同調した人物の名を公表するよう迫られます。

しかし彼は一切仲間の名を口にせず、その結果議会侮辱罪で1年間服役する羽目に。

この時彼を支えたのが、あのマリリン・モンローでした。

審問から8日後にミラーとモンローは結婚。
(※ミラーは2度目、モンローは3度目)

国民的人気を博した彼女のサポートが、世論を大きく変えることになります。

    

その後彼の作品 『荒馬と女』 や 『クルーシブル』 がモンロー主演で映画化され、彼自身モンローについて

「素晴らしい女優であり、賢明な芸術家であった。」


と絶賛・・・していたのですが、なぜか結婚生活は5年で破綻し1961年に離婚してしまいます。

げに不可思議なのは、男女の仲と申せましょうか。


翌年、写真家のインゲ・モラスと3度目の結婚をした彼は、その後も秀作を発表する一方1965年から4年間国際ペンクラブの会長を務め、2001年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。

2005年2月10日、心不全によりコネチカット州の自宅で89歳の人生に幕を降ろしました。

彼の作品の中で特筆すべきは、やはり彼が34歳だった1949年に発表された 『セールスマンの死』(原題 : Death of a Salesman )でしょう。


   

        『セールスマンの死』 (ハヤカワ演劇文庫・刊)  


ニューヨークのモロスコ劇場で初演された時から大評判となり、以来742回ものロングランを続け、トニー賞・ピューリッツァー賞を受賞し、彼の名声を確立したのが、この作品ですから。

家族のために働きつつも、自立できない息子や過去の幻影に苛まれ悩んだ末に年老いたセールスマンが取った行動とは・・・。

まるで彼の父親を通した実体験をモチーフにしたようなこの作品は、半世紀以上経った現代にも存在する社会の不条理や親子の断絶などを鋭く描いています。

映画化もされていますので、是非この作品に触れてみてください。

因みに、この作品の初演日も2月10日・・・彼の命日が重なったのは偶然なのか、それとも神の思し召しだったのか?



             人気ブログランキング

スポンサーサイト



コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック