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音 読


様々な教材が市場に溢れている現代と違い、私が中・高校生の頃は本格的な英会話を勉強しようとすれば、リンガフォンくらいしかありませんでした。

その高価な教材に手が出ない私のような学生に助けとなったのは、NHKテレビ・ラジオの英会話番組。

毎朝6時にテキスト片手にラジオにかじりついていた頃を懐かしく思い出します。

そんな私の記憶に残っている講師としては、松本亨先生、マーシャ・クラッカワー先生・・・そして、もう一人が

 國弘 正雄 先生

今日は、英語講師でもあり同時通訳の草分け的存在だった彼の、命日・三回忌にあたります。


1930年に東京・北区で生まれた國広先生が英語に興味を持ったのは、中学生時代。

『武士道』の著者・新渡戸稲造の伝記を読んで感銘し、英語の猛勉強を開始すると、父親の転勤で移り住んだ神戸で進駐軍の兵士に手当たり次第に話しかけたとか。

そしてひたすら教科書の音読を繰り返し、これが後に道元禅師の提唱した〝只管打坐〟をもじった〝只管音読〟という彼独自の勉強法につながりました。

1955年にハワイ大学を卒業すると予備校講師を経て日本生産性本部とアメリカ国務省の文化交流計画に参画し、ワシントンDCに常駐して訪米した日本人に随行して全米各地を訪問。

1963年に帰国すると、2年後に通訳エージェント 『サイマル・インターナショナル』 を設立すると共に、NHK教育テレビ 『英会話中級』の講師を務めました。

私が國弘先生を知ったのは、まさにこの番組。

そして彼の名を一躍有名にしたのは、1969年7月のアポロ11号月面着陸の中継を同時通訳したこと。

〝同時通訳の神様〟などと呼ばれ、日本の英会話教育界の第一人者としての地位を確立しました。

           


1971年からはNHK教育テレビの『トークショー』の司会を務め、E・ライシャワー氏やD・キーン氏などの著名人と議論を重ねましたが・・・それでは、ここでその〝神様〟の英語をお聴きください。(

   https://www.youtube.com/watch?v=r1hbnAD-MH4

帰国子女でもなく、非英語圏の日本で学んだとは思えない見事な発音ですょネ。

また文化放送やラジオたんぱで1958~1992年まで放送された老舗英語番組 『百万人の英語』 でも活躍した國弘先生は、1978年から日テレのニュース・キャスターも担当。

この起用にはちょっと驚きましたが・・・もっと驚いたのは1989年、先生が参院選に立候補したこと。

それも日本社会党から。

今でこそ昨年来から盛んに憲法改正に反対する憲法学者がメディアに露出して、いわゆる〝学者バ〇
〟ぶりを発揮する光景は見慣れましたが、当時はちょっと信じられませんでした。

先生自身、神戸で空襲に遭い親友の最期を看取ったことから強い反戦思想を持ったことが社会党から立候補した根拠だったようですが、個人的には残念な出来事。

できれば國弘先生には、英語の先生だけでいて欲しかった気がします。

しかし1995年には落選し、政界を引退。 

その後大学の客員研究員や、個別指導型の英語資格取得専門塾の顧問を務めていた國弘先生が老衰により84歳でこの世を去ったのは、2014年11月25日。


あらためて英語教育界の重鎮のご冥福をお祈り致します。笑3

久々に、ラジオの英会話番組を聴いてみようかナ・・・。




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