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スパルタ愛

3ヶ月前に開催されたリオ五輪・シンクロナイズドスイミングで、前大会メダルなしだった日本チームに見事デュエット・団体で見事銅メダル獲得をもたらしたのが

 井村 雅代 ヘッドコーチ

であることは、皆さんもご存知だと思います。

ご自身も過去日本選手権で2度優勝しミュンヘン五輪にも出場されていますが、現役引退後コーチとして選手たちをスパルタ教育で鍛え上げ、日本チームをメダル常連の強豪に育て上げた〝鬼コーチ〟として有名。

2004年アテネ五輪後に日本チームのコーチを退任し中国代表のコーチに就任したのには驚かされました(※この移籍の裏には、水連幹部との確執があったと言われています)が、途上国だった同国チームを見事メダル獲得に導き、逆に日本チームは沈没。

その井村コーチが復帰した直後に再び日本チームがメダルを獲得したのですから、その手腕が超一流であることは疑いようがありません。

その鬼コーチのインタビュー記事が、月刊 『致知』 12月号に掲載されていました。

同号の表紙を飾った彼女のシンコロにかける情熱と教育論を、以下に抜粋・編集にてご紹介致します。


          ◆     ◆     ◆     ◆


2006年12月25日に中国コーチに就任しましたが、中国選手は皆モデルみたいにスタイルが良くて素晴らしい選手ばかりだろうと思って行ってみたら、全然筋肉がなくてびっくりしたんです。

私が本気で鍛えたらきっと潰れると思い、彼女らには挨拶をすること、ありがとうを言う事、それからお愛想笑いを教えたんです。

中国人は愛想がないから、それを直そうと思って・・・私は彼女らに会うたびに 「ニイハオ」 とか 「おはよう」 って言い続けたんです。

バスで練習に行く時なんか先に乗り込んで待ち伏せをして 「おはよう!」 ってニッコリ笑う。
そうすると、彼女らも背筋を伸ばして 「おはようございます。」 って・・・。

挨拶・ありがとう・お愛想笑いができるようになったら、その集団は明るくて元気になるんです。

日本のコーチが中国のチームを明るくした、北京五輪では何かやってくれそうだって評判になりました。


   

そして2014年に日本のコーチに復帰したら、選手たちはとにかく何もできないのです。

泳がせたら遅い、テクニックは下手、練習に取り組む姿勢、日常生活の仕方、考え方がとにかくおかしい。
あの子たちは最初なんで私に叱られているのか分からなかったそうです。

とにかくプー
ルサイドに出た途端 「そんなくらい格好をして現れるな!」 って・・・朝一番から下を向いて背中を丸くして入ってくるんですからね。

オリンピックまであまり時間がない中、短期間で成果を出すためには全部ではなく1ヶ所だけ手を入れること・・・そこで彼女らに教えたのは、動きをシャープにすることでした。

一点集中したことで、2014年のワールドカップでメダルを獲れた。

それから選手たちに欲が出始めたんですが、それでも

「私についてきたってメダルなんか取れないょ! 
私についてきて何をするかなんだょ!」

と言い続けました。

今時の選手一番好きなのは、「皆と一緒」。 

一番ホッとする言葉が 「チームワーク」 と 「絆」。
一番嫌いなのは 「目立つこと」。 

そのくせ勝ちたいって、おかしいでしょ。

そういうふうに我々大人が育てたんですょね、家庭でも学校でも。
でも、レベルの低いところで皆と一緒に頑張ってどうすんのって。

だから私はチームで泳いでいる時も、「あなたがダメ」、「犯人はあなた」 って言うんです。
だって個人の集まりが集団ですから、個人の欠点をなくしてスキルを上げないと集団が良いものにならないじゃないですか。

できてる子にも繰り返して言いました。 「ちゃんとやってくれない子に、どうして腹を立てないの? いい加減にしてよって言いなさいょ!」 って。

そしたらあの子ら 「私も失敗するから言えません」 って言うんです。

それでも言いなさいって。 言ったからには失敗できない。 そうやって無言で自分にプレッシャーかけるんだって。

「チームがバラバラになるのが怖い」 とも言ってきました。
絶対にならないって。 だって最終目的は一緒なんだから。

厳しく叱る裏には責任があります。

私もできることなら褒めて勝たせたいですよ。 
でも残念ながらそれは難しい。

褒めたらその子は、これくらいでいいんだって思い込んでしまいます。
リオ五輪の決勝前の練習でちょっと褒めたらデレデレ緩んできたんで、これはアカン! って𠮟りました。

ロシアチームは、世界一のくせに絶対に手を緩めないんです。 あれは、凄い。


あそこのタチアナってコーチは、私なんかよりもっと厳しいですから世界一に君臨しているんでしょう。

でも(だた何でも厳しくすれば良いってわけではなく、私は)選手一人ひとりの体力と心の状態を凄く見てますょ。

この子はもう限界に近いなとか。 

その辺の瀬戸際の心を見て言葉をかけるんです。 

伸びる選手は人の言葉を信じてくれます。
心にシャッターを降ろす子はダメです。

それから自分で限界を決めず、壁にぶつかった時にもうムリだと考えるんじゃなくて、「あぁ私の努力が足りなかったんだ。もっと努力しよう。」

と素直に思って1ミリでも自分を高めようとする、〝心の才能〟を持っている子は成長します。

私は北京五輪の時に、開催国の素晴らしさを全身で感じてきました。
国を挙げて選手を応援する、あの熱気が素晴らしいんです。
シンクロの選手たちなんか鳥肌を立ててましたし。

いよいよ4年後は東京五輪ですけど、現役時代に自分の国が開催国になる確率って、宝くじに当たるよりすごいことで、出場できる選手は本当に幸せだと思います。

ですから私は、選手たちの持てる可能性を精一杯引き出せるように、覚悟を決めて指導に当たっていきます。


          ◆     ◆     ◆     ◆


ただ厳しいだけではなく、選手たちの能力や限界を見極めて木目細かい指導をしていることが、伺えます。

東京五輪でも、きっとより良い色のメダルをもたらしてくれそうですネ。扇子

最後に、井村コーチが別のインタビューで仰っていた言葉を書き添えます。

「私と一緒に練習して、それで〝あぁ、厳しい練習が終わってよかった〟というような意識のレベルでは絶対にメダルは獲れない。  その全体練習の後に、自分は何をすべきかを考え更に自分で練習するような選手でなければ、メダルは獲れない。」


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