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葡萄畑

〝メセナ〟・・・バブル期に一時盛んに使われた言葉ですネ。 


〝企業が資金提供して文化・芸術活動を支援すること〟という意味なのですが・・・長引く不況ですっかり死語になりつつある昨今、企業理念の一環としてこのメセナ活動に多額の資金を拠出し続けている会社があります。 


それはサントリー。 そしてその象徴といえる、


 サントリーホール


が落成したのは、今からちょうど30年前の今日・1986年10月12日のことでした。


東京都港区赤坂の超一等地にあり、音響・設備等において国内最高と言って良いこのコンサートホール・・・実は建っている土地はサントリーのものではなく、森ビルが所有しているとか。


サントリーは毎年数億円の賃貸料を支払って、このホールを運営しているのだそうです。驚き顔 ヘェ~


客席数2,006の大ホールは、ステージをぐるりと観客が取り囲む 〝ヴィンヤード(葡萄畑)形式〟、また世界最大級のパイプオルガンを導入していますが、これらは全て世界的大指揮者・カラヤンの助言によるものでした。


    
        

「世界一のコンサートホールを造る」という意気込みで同ホールの建設を指揮したサントリーの佐治敬三社長は、当初ヨーロッパで主流だったウィーン楽友協会ホールのような長方形の〝シューボックス型〟ホールを構想していたとか。

しかし建築家でありサントリーホールの設計を手掛けた学生時代からの友人・佐野正一氏に 「世界一のコンサートホールを造るつもりなら、是非!」 と、ベルリン・フィルハーモニーのヴィンヤード形式の視察を勧められます。

そしてベルリンまで足を運んだ佐治敬三氏が 「なぜヴィンヤード形式が良いのか?」 と尋ねたところ、カラヤンはこう答えたそうな。


「現代は、いい音楽を聴こうと思えば立派なオーディオ装置がある。


にもかかわらずお客さんがわざわざコンサートホールに足を運んで聴くのには、特別な意味があるのだ

演奏する側にとっても、レコーディングスタジオで演奏するのと、ホールで演奏するのとでは全然心構えが違う。
お客さんと一体になって演奏することこそが、現代のコンサートの形ではないか。 

だから自分たちが真ん中にいて、周りにお客さんがいて、彼らと一緒に音楽を作り上げられるヴィンヤード型がいい。」

・・・なるほどねェ。

で、それを聞いた佐治氏は、即座に 「ほな、そうしましょ!」 と仰ったとか。

さすがは〝やってみなはれ〟で有名な佐治氏の面目躍如・・・カラヤンは、その即断即決ぶりに驚いたそうな。

私は大学生時代から(地方に転勤していた時期を除いて)毎年12月末の第九コンサートを聴いていますが、以前は毎年NHKホールに出向いていました。

しかし数年前に、たまたまサントリーホールでのチケットを入手し聴いてみたら、その音の違いは明らか。

まるで天井から音のシャワーを浴びている感覚に魅了され、以来ずっとサントリーホールで聴いています。

もちろん今年も・・・。

ホール入口ドアの上部には、ホール内のパイプオルガンと同じ材質で作られた〝パイプオルゴール〟が設置されており、会場と同時に綺麗な音色を奏でて気分を盛り上げてくれます。

       

壁面の内装材には(ウイスキーの貯蔵樽に使われる)ホワイトオーク材を使うなど、細部に拘りを持って造られたホールですが、他のコンサートホールと明らかに違うのは、天井から吊り下げられた照明。


       


オープン当時に佐治氏が力を入れていたビール事業への想いが強かったのでしょうか、グラスに注いだ時の泡をイメージしている・・・って聞いた時は、ちょっと感動しました。

また同ホールには、日本で初めて酒類を提供するバーカウンターが設置されました。

さすがはサントリー・・・ですが、オープン当初は音楽界の重鎮から「酔っぱらって寝る観客が出るだろう。不謹慎だ!」などと佐治社長はお叱りを受けたのだとか。

現代とは隔世の感がありますネ。

オーナー社長の思い入れの結晶と言っても過言ではないこのコンサートホールが、同社の経営状態に影響を受けてコストカットの対象にならないことを、切に願います。

少なくとも、私が生きている間は・・・。
うー



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