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狂 恋

映画やドラマにもなった 『八つ墓村』 のモデルとなったのが、30人もの住民を殺した〝津山事件〟であることは以前記事にしました(

  http://ameblo.jp/warmheart2003/entry-11180251462.html


が、それより更に12年前・・・そして今からちょうど90年前の今日、警官を含む4人が殺害された


 鬼熊事件


も、当時日本中を震撼させた凄惨な出来事でした。

事件現場となったのは、現在の千葉県香取郡多古町・・・成田空港のすぐそばにある寒村。

犯人は、当時35歳だった岩渕熊次郎。
荷馬車引きをしていた彼は、既に2歳年上の女性と結婚し5人の子持ち。

そんな彼が飲食店で働く〝吉沢けい〟という子持ちの女性と知り合いに。

彼女の不幸な生い立ちを聞いて同情するうちに熊次郎は彼女に好意を抱くようになり、周囲の反対に耳を貸さず遂にはカネを貢ぐようになりました。

ところがその女性に別の交際男性・寅松がいたことが発覚。

2人の逢引き場面に遭遇した彼は激怒。 


けいを問い詰めたものの、逆に彼女と寅松が恐喝されたと訴え出たことで熊次郎は逮捕され懲役3年の有罪判決を受けます。


しかし執行猶予がついたため即日釈放されたのですが、その判決が下された直後の1926(大正15)年8月20日に事件は起きました。

         

               岩渕熊次郎


迷惑をかけたと謝罪するため、けいの店を訪れ酒を飲んでいた熊次郎は、そこで彼女の口から一連の騒動に自分の主・五木田元県議と対立する政友会の菅沢重雄の分家・菅沢種雄が暗躍していたことを知ってしまいます。

更に間の悪いことに、そこにやってきた寅松とバッタリ遭遇。

事情を知り激昂した熊次郎は、完全にブチキレ。
けいを薪で撲殺すると、更に逃げた寅松を追い彼の自宅へ。

そこにいないと分かると、今度は裏で糸を引いていた菅沼宅を襲い石油を撒いて放火・全焼(ただし菅沼一家は逃げて無事)させると、次に自分を逮捕した向後巡査を狙いに駐在所へ。

しかし既にけいの殺害現場に向かっていて巡査は不在。

そこで彼は置いてあったサーベルを手にけいの雇い主であり菅沼家の分家であった岩井長松宅を襲い、彼を刺殺。

一旦自宅に戻って再び出たところで鉢合わせした刑事と取っ組み合いになるも、彼を刺して重傷を負わせ近くの山中に逃げ込んだのです。


駐在所から盗まれたサーベルで殺人が行われたことで面子丸つぶれの警察は、地元の消防団や在郷軍人会の協力を仰ぎ延べ5万人以上を動員して山狩りを行ったものの、以後40日間にわたって熊次郎の逃亡を許しています。

それは何故か?

実は、村人たちが彼を匿うなど逃亡を手助けしていたから。驚き顔

放火殺人を犯し、見かけもいかつく屈強な凶悪犯である彼をを庇ったのは、

◆ 実は以前から真面目で人情が厚く、面倒見の良い青年だった。
◆ 逆に殺害されたけいや店主は色仕掛けで客引きをするなど、評判が良くなかった。

◆ 当時の警官は威張り散らしていて、住民からは疎まれていた。

等々の理由からだったそうな。


結局彼は翌9月30日、取材に来ていた新聞記者に経緯を語った後、先祖代々の墓の前で村人が用意した毒入り菓子を食べて絶命したのです。


現在だったら、彼を逃がした村人たちや通報せず取材をしていた新聞記者らは自殺幇助・犯人隠避で有罪は免れないところ。


しかし翌年千葉地裁八日市支部の裁判長は、一部の者を執行猶予付きの有罪としたものの多くの村人には無罪の温情判決を下しています。


まさに大岡裁きというべきか・・・ドライな人間関係が当たり前の殺伐とした現代社会より、温かさを感じてしまうのは、私だけでしょうか?

彼が40日間ひたすら復讐だけを考え潜んでいた山林は今、ゴルフ場になっているとか。

もしかしたら、貴方もそこでプレーしたことがあるかも?うー


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