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集中砲火

今年に入ってから、巷では静かなる(?)田中角栄ブームが起きていますが、その角さんが 『ロッキード事件』 の受託収賄容疑で1976年7月に逮捕されてから丸40年になります。

そのためか、つい最近はNHKで特集番組が放映されたり、当該事件に関する新刊書が複数出版されていますが、私はこの本を読んでみました。

『冤 罪 田中角栄とロッキード事件の真相 (産経新聞出版・刊)


           

著者は、元衆(参)議院議員で、国土庁長官・自治大臣・国家公安委員長などを歴任した、石井 一 氏。

田中角栄氏の政策秘書を経て35歳で衆議院議員に初当選した後は、彼の側近の一人として活躍し〝田中軍団の青年将校〟と言われた人物。

この本の表題は、石井氏自身が2009年に起きた 『郵便不正事件』 で身に覚えのない疑いをかけられ、危うく罪を被りそうになった経験と、『ロッキード事件』 を重ね合われたから。


            

                    石井 一 氏

この 『ロッキード事件』 の内容に関してはあらためて説明する必要はないと思いますが、端的に言えば田中氏がロシアに近づき、また出し抜く形で中国と友好関係を築いたことに怒ったアメリカが彼をハメたものでしょう。

そして石井氏が〝冤罪〟と銘打っている如く、私は無罪が相当だと思っています。

そもそも当時(というか現在でも)日本の司法制度で認められていない、証人に免責特権を与えた上で聴取した 『嘱託尋問調書』 を証拠として採用するという〝反則技〟を使った時点で、裁判そのものが無効のはず・・・というのが、最大の理由。

あの左翼評論家・田原総一朗氏も〝田中氏は無罪だった〟と過去に言明していますが、その他有罪判決に対する細かい反論は、同書をお読みいただければお分かりいただけると思います。

もちろん、石井氏は田中氏側の人間ですから、多少なりともその主張は割り引く必要はあると思いますが・・・。

        

          自民党総裁に指名された時の田中氏(左)と石井氏(右)

私はこの事件の顛末を考える時、どうしてもマスメディアの報道姿勢に腹が立ちます。

田中氏が尋常小学校卒の学歴で総理大臣になった時は、〝今太閤〟・〝コンピューター付きブルトーザー〟などと絶賛しながら、立花隆氏の 『田中角栄研究』 が文藝春秋に連載され金権政治が注目を浴びると、報道姿勢は一変。

そして 『ロッキード事件』 が発覚してからは、最初から 【田中角栄=金権政治=有罪】 と決めつけて集中砲火を浴びせました。

裁判所が前述の嘱託尋問調書を証拠として採用したのは、そういった世論に押される形で有罪ありきの判決に傾けるがためだった気がします。

まさに〝魔女狩り〟の如く・・・。

田中氏が逮捕された後、テレビ等に出演して親方の擁護発言をした石井氏も批判の矢面に立たされ、一度は落選の憂き目にも遭っています。

しかし田中氏本人は、1983年11月の衆院選で22万票以上を獲得して当選。

※この選挙に関する過去記事は、こちら。(↓)

  http://ameblo.jp/warmheart2003/entry-11268952163.html

当時はネットもバソコンもなく新聞・週刊誌・テレビの報道だけが情報源だった私は、「新潟県民は何を考えているんだ」と思ったものですが、今にして思えば田中角栄という政治家の本質を良く知っていたのは、地元有権者だったといえます。

マスコミ報道に扇動された国民が、間接的にであれ戦後政治で稀有な力量を持った名宰相の政治生命を縮めてしまったとも言えましょう。


先月行われた都知事選も、もし40年前のようにマスメディアからしか情報を得られない時代だったら、小池氏は勝てなかったかもしれません。

また逆に 『ロッキード事件』 が今起きたら、様々な情報がネット上で明らかにされ、当時のような有罪ありきの異常な雰囲気にはならず、裁判官も冷静な判断を下していたかも。

同書を読みながら、あらためて情報の大切さと、売らんかな主義のマスメディアが垂れ流す報道のいい加減さを痛感します。うー




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