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鬼 車
昭和時代にはどこにでもいたのに、今やすっかり絶滅危惧種となった、〝カミナリ親父〟。

テレビドラマでも何人かハマリ役がいらっしゃいましたが、今日はその中の1人、

 高松 英郎 さん

の命日にあたります。


高松(本名:武市 哲郎)さんは、大恐慌の起こった1929(昭和4)年に現在の高知県南国市で生まれました。

子供時分に東京の杉並区に転居すると、1947年に早稲田中学を卒業して鎌倉アカデミア・演劇科に入学。

1951(昭和26)年に大映の第5期ニューフェイスとして入社すると、2年後に同期入社の若尾文子さんの恋人役として映画デビュー。


その顔立ち(?)から、徐々に悪役としての出演が増えていきました。

1962年に大映を退社しフリーで活躍し始めた高松さんを私が初めてテレビで見たのは、おそらく 『柔道一直線』。

梶原一騎さん原作のスポ根マンガをドラマ化し、1969年6月から2年弱に渡って放映されたこの番組は、近藤正臣さんがピアノに飛び乗って足の指で 『ネコふんじゃった』 を弾く・・・という伝説的(?)なシーンで有名。

この中で、高松さんは桜木健一さん演じる主人公・一条直也を鍛える〝講道館の鬼車〟こと車周作を演じていましたが、その技のハチャメチャぶりと共に、ギョロ目が強く印象に残りました。

そしてその後、私が高校時代登校前に必ず観ていたNHK朝の連続ドラマ 『雲のじゅうたん』 では主人公のへばちゃんが入学した航空学校の怖い校長役も記憶に残っていますネ。

このドラマでは、主人公の父親役が中条静夫さん・・・まさにカミナリ親父の協演って感じでした。

           

その後もNHK大河ドラマや 『水戸黄門』・『大岡越前』 などのTVドラマ、また映画 『ラストエンペラー』 等にも出演。

時代劇から刑事・軍人など、様々な役をこなされました。

その目力や風貌から、ややもすると近寄りがたい雰囲気がありましたが、実は非常に温厚な紳士だったそうで、後輩俳優には懇切丁寧な演技指導をしたそうな。

まさに、人は見かけによらぬもの。


1962年に女優さんと結婚した際は、フジテレビの番組内で慈善結婚式を挙げ、浮いた結婚資金やスポンサーからの贈答品を全て施設に寄付したことや、また2003年にクルマを運転中子供をはねて重傷を負わせてしまい、カメラの前で涙ながらに謝罪し暫くの間自宅謹慎したことも、その律儀な性格を表していました。


そんな高松さんが77歳で亡くなられたのは、2007年2月26日。

前日までドラマのロケで茨城県鹿嶋市に来ていましたが、体調が思わしくなく急遽高速バスで帰宅し入浴後就寝。

ところが翌朝奥様が冷たくなっている英郎さんを発見・・・死因は心筋梗塞でした。

もう少し活躍できた方だっただけに、実に残念。

ところで、こうやって高松さんの経歴を振り返りながら思うに、日本の父親の威厳が無くなってしまったのは、やはりカミナリ親父の絶滅とリンクしていますょネ。

更に言うなら、〝お父さん〟とか〝オヤジ〟という呼称が何となく軽い〝パパ〟に変わったことが、その契機ではなかったかと・・・。

怖い父親役を演じた高松さんや中条さんらは、すっかり父権が地に落ちた現在の風潮を草葉の陰から眺めて、さぞ溜息をついていることでしょう。うー

世の若いパパさんたち・・・まずは我が子に 〝お父さん〟と呼ばせてみませんか?




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