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ファトワ

IS(イスラム国)が日本をテロの標的にしている、という話が既に報道されて久しいですが、つい先日もそれと思われるテロ事件がダッカで起こり、日本人7名が犠牲となってしまいました。

ただ、今のところ同様のテロ事件は幸いにも国内では起きていません・・・と言いたいところですが、実はイスラム教に関わる襲撃事件が今から25年前の今日、既に起きています。 それは

 『悪魔の詩』訳者殺人事件


当時筑波大学助教授だった五十嵐一氏が、事もあろうに大学構内で惨殺されるというショッキングな出来事ですので、中高年の方はご記憶のことと思います。

『悪魔の詩』(原題:The Satanic Verses )とは、イギリスの作家サルマン・ラシュディが1988年に発表した、イスラム教の教祖・ムハンマドの生涯を題材にした小説。


しかしその内容(の一部)にムハンマドやイスラム教を揶揄する内容が含まれていたことで、同教徒が強く反発。

1989年2月に当時のイラン最高指導者・ホメイニ師が著者やその出版に関わった者に対する死刑宣告すなわちファトワ(fatwa ) が宣告され、その翌日にはイランの財団からこのファトワの実行者に対して数億円に上る懸賞金が提示されました。

これを受け、著者のラシュディはイギリス警察によって厳重な保護下に。

しかし五十嵐助教授は、「これは素晴らしい文学作品で、イスラムを冒涜するものではない」として日本語に訳し、1990年出版に踏み切りました。


   
 


実はホメイニ師、このファトワを発した4ヶ月後に心臓発作により亡くなったのですが、一旦出さたファトワを撤回できるのは本人のみ・・・つまり、死刑宣告は取り消されぬまま。

ということで地元警察は身辺警備を五十嵐氏に申し出たものの、本人がそれを辞退し普段通りに生活を続けていたそうですが・・・1991年7月12日早朝、大学構内のエレベーターホール前で血まみれで倒れているところを発見されました。
(※殺害は前日・11日。)

両刃のナイフが正面から背中に貫通する程の傷が数ヵ所、更に首も切断に近い形で切られていたという、まさに憎しみに近い強い殺意が感じられる惨殺だったといいます。

この事件の直前に、イタリアで同書の翻訳者がイラン人に襲撃され重傷を負っていることから、犯人はイスラム教徒と思われましたが、特定・逮捕されぬまま事件は2006年に公訴時効を迎えました。

(※もし犯人が海外逃亡しているなら、まだ時効にはなっていませんが。)

捜査本部は事件翌日に出国したバングラデシュ人留学生をマークしていたと言われていますが、何故かその後捜査は進展せず。

一説にはイスラム国家との軋轢を恐れた日本政府の意向により捜査が打ち切られたとも。

弱腰外交の姿勢が、こんなところにも影響が及んでいたとすれば、遺族はいたたまれません。

捜査中、五十嵐氏の机の引き出しから殺害の数週間以内に本人が書いたと思われるメモが発見されました。


そこには壇ノ浦の戦いに関する四行詩が2ヶ国語で書かれており、「壇ノ浦で殺される」という日本語の対訳で、「エレベーター前で殺される」と記されていたとか。

もし具体的な殺害予告を受けていたとしたら、なぜ五十嵐氏は身辺警護を依頼しなかったのでしょう。

イスラム教徒を信じていたから・・・だとしたら、実に残念。

ちなみに著者のラシュディは、現在ニューヨークで暮らしているそうです。うー




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