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対 立

アメリカにおける人種差別撤廃運動というと、キング牧師が推進した公民権運動をイメージする方が多いと思います。


それは彼が白人や黒人という人種の壁を越えて手を取り合うことを目指したからでしょうが・・・それとは別に、黒人が白人からの分離独立を目指す運動もありました。


その提唱者として後世に名を残したのが、


  マルコム X
  (Malcolm X


今日は穏健派のキング牧師とは好対照だった、この攻撃的な黒人解放運動指導者の命日・没後50周年にあたります。


出生時の名がマルコム・リトルだった彼がネブラスカ州オマハで生まれのは、1925年。


父親は反体制派のバプチスト牧師でしたが、マルコムが5歳の時に市電に轢かれて死亡。


公式発表では自殺とされているものの、実際には人種差別主義者によって殺害されたといわれています。


白人と黒人のハーフだった母親が残された9人の子供を育てようとしたものの、何度か万引きで補導されたマルコムは里子に出されることに。


裕福な白人家庭に引き取られたマルコムは学校でも黒人は彼一人という環境の中、成績優秀で学級委員長も務め医者か弁護士を目指していましたが、ある日白人の担任教師から


「黒人はどんなに頑張っても偉くはならない。黒人は黒人らしい夢を見なさい。」


と大工になるよう勧められたことがキッカケで彼の人種に対する考え方は変わり、以来白人を避けるように。


そして中学を卒業後ボストンに転居してから生活が荒れ出し、高校を中退してニューヨークに移り住んだ彼は、麻薬・ギャンブル・売春何でもござれのギャングの世界にドップリ・・・1946年、21歳の時に強盗で逮捕され、懲役10年の実刑判決を受け刑務所入り。


しかしそこで、ある囚人からイスラム教を説かれたことで、彼の運命は大きく変わります。


目覚めた彼は獄中でイスラム教に改宗、生活態度を一変して視力が2.0から0.2に落ちるほど勉学に励み、白人がいかに有色人種から詐取をしてきたかを学ぶと同時にブラック・モスリム(黒人イスラム教団)の教えに惹かれていきます。


出所後、同教団の発動拠点ネイション・オブ・イスラム(NOI )の指導者イライジャ・ムハマドに出会ったマルコムは、彼に魅せられて即入信。


その時に、〝X〟という名をもらいました。


1950年代、彼はNOI 活動家として白人の人種差別を糾弾。


キリスト教を〝悪魔の宗教〟と否定し、イスラム教への入信を勧め黒人の自立を説いて回りました。

「白人は悪魔だ」 と主張する彼が、白人との融和を説くキング牧師と相容れなかったのは当然だったと言えましょう

       ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草


1957年にNOI メンバーの1人が警官に暴行を受け逮捕された際、彼を中心にして病院への転送を要求。 


それを認めさせたことで彼は一躍有名になり、その布教活動は多くの黒人に影響を与えました。


(1960年にボクシングのヘビー級チャンピオンのカシアス・クレイが彼に感化されてイスラム教に改宗しモハメド・アリと改名したり、1971年に米プロバスケットボール史上最高の選手と言われたスーパースターのルー・アルシンダーが彼の著作を読んで改宗、カリーム・アブドゥル・ジャバーと改名したのはその代表例。)


ところがその5年後、信奉するイライジャが少女を強姦したうえ子供を産ませたことを知って深く失望したマルコムは、彼を告発。


一転して彼は教団から命を狙われることとなり、1963年には暗殺されかかります。


教団を脱会した彼は1964年にメッカに巡礼。 


その時に彼はイスラム教の世界に人種差別は存在しないことを悟り、真の人類愛に目覚めた彼はその後白人批判を止めます。


更に国連の人権委員会にアメリカの人種差別や不正を告発すべく働き懸けた彼は、それまで批判していた公民権運動にも理解を示し、集会で演説するようになりました。


その後アフリカ各国を訪問して彼らと手を結ぶ必要性を痛感すると、アメリカに帰国直後にアフロ・アメリカン統一機構(OAAU )を結成。  


しかしそんな彼の命を、NOI は執念深く狙い続けていました。


そして遂に1965年2月21日・・・OAAU の集会で演説中だった彼は、3人のヒットマンから15発もの銃弾を浴び、絶命。


39歳の若さで生涯を終えたのです。


「黒は美しい」 という言葉を残し黒人の独立を夢見ながら黒人に命を奪われた彼は、自らの死から44年後に実現した黒人大統領の誕生を、天国からどんな思いで見つめていたのでしょうか?




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