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親 戚 <中>

案内された席に着くなり、一番上のお義兄様が口を開きました。


「アンタ、一体どういうつもりでそんな葬式にしようってんだい? 

ウチらの田舎じゃ、必ず坊さん呼んでお経あげてもらうんだょ。 <
p>導師がいなくっちゃあ、弟も浮かばれないだろうが!」


と、いきなりの先制パンチ!・・・と言いたいところですが、実はこう言われた瞬間、私は


ははぁ、もしかしたら・・・。)

と逆にちょっと安心したのです。


「お義兄様のおっしゃることも、もっともだと思います。

では何故こういう形になったのか、最初からお話しさせてください。」
と、私からこれまでの経緯をお話しました。


◆亡くなられた弟さんが生前からキリスト教信者で、無宗教葬はご本人の遺志であること。


◆無宗教葬という形式は東京近郊では一定の割合で行われており、決して仏式葬に比べ見劣りするものではないこと。


◆ご自宅でも、綺麗な生花祭壇でしっかりとしたお別れができること。


等々ご説明させていただきました。


後で判ったのですが、私が推測した通りこの日の午前中、奥様が 「お寺さんは呼ばず、無宗教葬で・・・」 と言った時点で義兄姉様たちが怒り出し、もう事情説明ができる状態ではなくなってしまったのだそうです。


「なぁんだ、そうなのかい。 本人がそう言ってるんじゃ、しょうがねえなァ。」


と、お義兄様3人が口々に仰ったことで、何とか打ち合わせを始めることができました。

         


その後約2時間程の説明の中で、〝強硬派〟はお義姉様1人だけ・・・お義兄様たちは、どちらかというと彼女に引っ張られている感じであることも分かりました。

(兄弟の中でも、いろいろ力関係はありますものネ。)あせあせ


「では、ご葬儀の内容につきましては、ご理解いただいたということでよろしいですか?」

と私。 
しかしホッとしたのも束の間、それまで比較的(?)静かだったお義姉様が

「ちょっと待って! 
葬儀屋さん、中身はわかったワ。

それで、その見積金額からいくら値引きしてくれるの?」


「エッ?」


「ウチの地元じゃ、2割や3割値引きするの当たり前よ! 

アンタの方からそういう話を出すの、常識じゃなくって?」


・・・意表を突かれた私でしたが、とりあえず気を落ち着けてこうお答えしました。


「申し訳ございませんが、お義姉様。


私共ではそういった何割値引きとか、お客様と駆け引きするつもりはないんですょ。

当初のお見積の時から、弊社としてギリギリの金額で提示させていただいていますから。」


その後何度か押し問答が続いたのですが、最後にお義姉様からは


「何ょソレ。 値引きしない葬儀屋がいるなんて、信じらんないワ!」


あまりのケンカ腰な言い様に、私の頭の中で〝ブチッ〟と音がしまして・・・。


「信じられないとまで仰るのでしたら、私としてもこれ以上お手伝いさせていただく事は出来ません。 

お義姉様の方で、意に沿うような値引きOKの葬儀社さんをお探しになって下さい。
弊社でお取りした火葬場の予約は、そのままお使いいただけるように手配しますので。」


と申し上げてしまいました。


広げた書類を鞄にしまい始めた私の横で、喪主の奥様はオロオロするばかり・・・。


                       ・・・・・To be continued





         

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