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親 戚 <上>

その奥様からお電話をいただいたのは、ご主人様が末期がんの宣告を医師から受けた直後のこと。


後日お会いしてご葬儀の事前相談をお受けし、ご希望などをお伺いしながらお見積の提示などをさせていただいておりました。


それから約2ヵ月後に、奥様からご主人様がご逝去されたというご連絡が・・・。

深夜ご自宅にご主人様を安置させていただいたところで、奥様からは

「すみません。主人の兄姉が明朝こちらに来ますので、葬儀の打ち合わせは明日の昼からでよろしいでしょうか?」

とのこと。


「わかりました。では明日午後1時に再度お伺いします。」


と申し上げ、東の空が明るくなる時間に一旦ご自宅から引き上げた私ですが、ご主人を亡くされた直後とはいえ、どことなく沈んだ奥様の表情に何となく胸騒ぎが・・・。


        
            

さて翌日、お約束の時間にご自宅に伺い玄関のチャイムを押したところ、奥様がサッと出てこられて

「ちょ、ちょっとこっちに・・・」

と私を玄関から向かいの道路の方へと手を引っ張るのです。


「どうしたんですか?」


と聞く私に、奥様は顔をしかめながら小声でこう仰るのです。


「今朝到着した主人の兄姉たちに葬儀の段取りを説明したら、『そんな葬式のやり方があるか! 我々は認めないぞ!』 って、エラい剣幕なのょ。 あの・・・どうしたらいいですか?」


と、今にも泣き出さんばかり。


奥様を宥めながらお話を伺うと・・・亡くなったご主人は5人兄弟の末っ子で、自宅に来られたのは3人のお兄様と1人のお姉様なのだとか。


東北地方にあるご主人の実家には菩提寺があるものの、末っ子のご主人はそこのお墓に入るつもりはなく、1人だけ上京して会社勤めされていた時に自分のお墓を東京に建てておられました。


また、かねてから教会に通われていたキリスト教信者でいらっしゃったのですが、洗礼はお受けになっていなかったので、ご本人は奥様に

「万一の時は自宅で無宗教葬で弔ってほしい。」

と話されていたのです。


事前相談の際には、ご主人のご要望に沿ってご提案をさせていただき、見積金額についても納得していただいていたのですが・・・そのことを、奥さまは義兄姉に一切話していなかったとのこと。

「お願いです! 何とか義兄姉たちを説得してもらえませんか?」


そ、そんな。 しかしここまで来て 「帰ります」 なんて言えないし・・・。


仕方なく、私は敵地に1人乗り込むガンマンの気分で再び玄関へ。


「すみませ~ん。 お、お邪魔しま~す。・・・」


奥様に案内されたリビングルームには、3人の男性が腕組みをして、そして1人の女性が射るような目つきで私を睨んでいます。


「おう、待ってたょ葬儀屋さん。 こっちに座っとくれ。」


 ・・・か、帰りたい。うー 




                  ・・・・・To be continued.




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