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至 宝

お客様や彼女にご馳走する場合、どんなお店に招待するか?・・・と問われれば、多くの方がフランス料理と答えるでしょう。

しかしそのフランス料理も、600年程前までは手づかみで食べていたとか。


それをナイフやフォークで食べるように改革をしたのが、1533年にフランス王アンリ2世と結婚したイタリアのカトリーヌ・ド・メディシスが連れてきた専属料理人だったとか。

以後ブルボン王朝時代に貴族間で時間と金に糸目をつけない贅沢なフランス料理が発達。

そして18世紀末期のフランス革命により宮廷を追われた料理人たちが街中でレストランを開業したことで、フランス料理は庶民の口に入るように。

19世紀にはアントナム・カレームとその弟子たちが更にフランス料理を体系づける改革を行い、更にそれを基礎として更に新しいメニューの考案等を行い、現在のようなフランス料理の地位向上・発展に大きく貢献したのが、


 ジョルジュ・オーギュスト・エスコフィエ  
     Georges Auguste Escoffier


今日は、フランス料理のシェフで彼を知らなければモグリといえる、同料理界に燦然と輝く巨星の命日・没後80周年にあたります。


                

エスコフィエは1846年にフランス・ニース郊外のヴェルヌーヴ・ルーベという小さな村で生まれました。

当初は叔父の元で工芸家になる為の修行をしていましたが、その叔父が無くなったため彼は13歳の時に別の叔父が経営するレストランで働くように。


1865年にパリのレストランに移りましたが、1870年に普仏戦争が勃発すると仏軍参謀本部付きのシェフに。

そこで彼はありあわせの素材で兵士たちが満足できる調理技術を会得します。


1878年に独立し、カンヌで 『フサン・ドレ』 という店を始めたものの、2年後に結婚した彼は新妻を伴ってモンテカルロに転居。

そこで彼の運命を大きく変えることとなる、〝ヨーロッパノホテル王〟セザール・リッツと出会います。


同地のグランド・ホテルで料理長をしていたエスコフィエはリッツと意気投合、彼はリッツの要請に従いロンドンのサヴォイ・ホテル料理長に就任。

サヴォイ劇場でのオペラで成功した興行師リチャード・ドイリー・カートが同劇場の隣に新設したこのホテルには、リッツのパトロンだった後のリチャード7世を始め多くの資産家や有名人が集まり、大繁盛。

それまで公衆の面前で食事をする習慣がなかった貴族の女性たちが、競うように着飾ってホテルのレストランでエスコフィエの料理を楽しむようになりました。

このホテル時代に、彼は多くの新作料理を考案しています。


ところが1897年にワイン紛失などのトラブルに見舞われた彼は、リッツと共にホテルを退職。

かし翌1898年に2人はパリにホテル・リッツを、そして更に翌年にはロンドンにカールトン・ホテルを開業。

するとエスコフィエの料理を食べたいVIP客は、こぞってサヴォイからカールトンへと流れて行ったとか。


(彼はこの頃、現在では一般的となっているコース・メニューを初めて考案・導入しています。)


その後リッツがエドワード7世の戴冠式延期によるショックで精神を病み、亡くなって以降1919年までリッツ系列のホテル運営に携わります。


1920年にシェフとして初めてフランス最高の勲章・レジオンドール勲章のシュバイエ(勲爵士)

そして1928年には1ランク上のオフィシエ(将校)を受章し、同国最高峰のシェフとして認められました。

その彼の大きな功績としては厨房への分業制導入やシェフ・料理人の地位向上がありますが、中でも特筆すべきはフランス料理における数多くの新メニュー考案とそのレシピを遺したことでしょう。



1903年に彼が出版したLE GUIDE CULINAIRE (ル・ギッド・キュリネール=料理の手引き)には、5,000もの料理のレシピが掲載されており、現在でもプロの料理人必携のバイブルになっているとか。


          


上の写真は日本語版ですが、一冊約36,000円!驚き顔


しかし料理人にとってその価値は、まさにプライスレスなのでしょう。

いくら本好きの私でも葬儀屋には必要ないのでこれは買いませんが、それでも中身はチラッと見てみたい気もします。

1935年2月12日・・・愛する妻が天に召されてから数週間後、後を追うように88歳で旅立った〝フランス料理界の至宝〟のご冥福をお祈り致します。

エスコフィエに敬意を表して今宵はフランス料理を・・・と思いましたが、残念ながらそうなりそうもありません。ダメだぁ顔




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