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利 他

今日から、弥生・3月。

ということで、月刊『致知』3月号に掲載されていた鎌倉円覚寺管長・横田南嶺師の特別講話の中から、心に春がやってくるようなお話を抜粋・編集にてご紹介致します。

          ◆     ◆     ◆     ◆

そのご婦人とは5,6年前、円覚寺の座禅会に参加してくださったのがご縁でした。

日帰りの会ならともかく、泊まり込みの座禅会となるとなかなか修行も厳しく、女性の参加は珍しいので何かご事情でもあるのかと思い、ある時お話をお聞きしたのです。


ご婦人が仰るには、あるスポーツ選手だった息子さんが大きな大会で首の骨を折る大ケガを負い、首から下が殆ど動かない状態になってしまわれた。

絶望した息子さんは、電動車イスで病院の屋上まで上がり、飛び降り自殺を図ろうとしたけれども、体が思うように動かず思いとどまったのだと。

しかし、お話を聞いていて驚きました。

その息子さんはそこから大学に復帰し、更に一人暮らしを始めたというのです。

自殺する寸前まで追い込まれた息子さんが、なぜそこまで立ち直ったのか?

         



ご婦人は、こう仰いました。

「私はあの子が転んでも絶対に起こしてあげないんです。」

身体が不自由な子が転べば、すぐにでも手を差し伸べたいのが親というものでしょう。 

しかしご婦人は、自分が先に亡くなった時、息子さんが一人で生きていかなくてはいけないことを分かっておられたのです。

息子さんにもその思いが伝わったのか、

「自分は母のために生きるんだ。 

自分が暗くなれば、お母さんがいつまでも辛い思いをしていまう。
だから頑張って生きるんだ。」

そう言っていたそうです。

その言葉通り、彼は一所懸命に勉強して運転免許を取得し、今は地方公務員として立派に自立しておられるそうな。

ご婦人は私にこう言われました。


「管長さん、私はいろいろ苦しんで悲しんで、泣くだけ泣きました。
でも私が子供に出来ることはたったひとつ。 
一日一日を明るく生きること・・・それだけです。

もし私が辛い顔をしていたら、息子は母が悲しむのは自分のせいだと自分を責めてしまう。

だからこれからも明るく生きていくの。」

もしお二人が自分のことばかりを考えていたら、心は折れていたかもしれません。

しかし息子さんは母のために生きよう、ご婦人は息子に辛い思いをさせまいと明るく生きようと、それぞれに思いを貫いて生きておられます。

人間というものは、何か人のために尽くすことによって、大いなる力を得ていくものなのでしょう。

この母子の姿から、私は菩提心の発現ともいえるその事を教わる思いでした。

          ◆     ◆     ◆     ◆

自分のためだけに作る食事は手抜きしがちだけど、愛する人のために作る時は手抜きどころかより美味しいものを食べさせようと頑張るのと、根は同じことなのでしょう。

他人のために尽くす人生を送れば、結局は自分のためになる。

情けは人のためならず・・・ですネ。

心がけたいものです。笑3





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