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評 価 <4>


支社のメンバー全員が揃った忘年会は、いつになく緊張感が漂う中で始まりました。


私は、とても素面で自分の〝勤務評定〟を聞く勇気がなく、乾杯直後からハイペースで熱燗をあおります。


そしてホンノリと酔いが回ったところで、腹をくくって切り出しました。


「それじゃ~、発表してもらおうかな・・・。 集計はできてるかい?」


と次席者の顔を見ると、私より緊張した表情の彼がおもむろに背広の内ポケットから紙を取り出し、


「それでは支社長の勤務評定・・・集計結果を発表します!

まず 『業務遂行能力』 は○○ポイント、『企画提案能力』 は○○ポイント・・・」


と、各項目に渡って社員全員による採点ポイントの平均値が読み上げられていきます。


さすがに具体的な点数は忘れましたが、思ったより良い点数をつけてくれたことは記憶しています。


まぁ、甘く採点しているでしょうから、そのまま受け止めちゃダメなんですけど・・・。あせあせ


         


全ての項目に渡って採点発表が終わり、少しホッとして焼き鳥に手を伸ばそうとしたその時・・・Aクンがゴクっと生唾を飲み込みながら、上ずった声で再びしゃべり始めました。


「あの~、このチェックシート以外に、言われていた 『支社長に対する要望』 について、ひとつ意見が上がっているんですが・・・。」


「あぁ、そうだったナ。 で、それはどんな要望?」


「え、え~と、要望というか・・・じゃあ、そのまま読みますね。」


意を決したように読み上げる言葉に私は思わず背筋を伸ばしました。


「支社長の○○○○はおかしいと思います!」


この漢字4文字の単語 (※諸事情により伏字とさせていただきます。 少なくとも〝思考回路〟ではありません)を聞いた瞬間は、正直意味が理解できませんでした。


「え・・・っと、具体的に教えてくれる?」


すると、ある女性社員が口を開きました。


「それ、私が書いたんです。
 支社長がよく口にしている事なんですけど・・・。」


彼女の切々たる訴えを聞く内に、私の心地よい酔いは一気に醒めてしまいました。


な、なるほど。うー


自分が普段何気なく男性社員と交わしていた会話の中で発していた言葉が、そこまで彼女(たち)の心を傷つけていたとは・・・私は全く気がつきませんでした。


「そうだったのかァ、それは大変申し訳なかった。

 じゃ、今後は一切そのことについては口にしないと、ここで誓います。」


と、その女性に思わず頭を下げる私。


私に頭を下げられた女性社員は一瞬ビックリしたようでしたが、


「○○さん、凄いなぁ。 支社長に土下座させちゃったゼ!」


という男性社員の言葉が一気にその場を和ませ、盛会の内に忘年会は終わりました。


ズ~ッと心の中であたためていた秘策は部下に頭を下げるという思わぬ展開となりましたが、私は本当にそれを実行して良かった、と今でも思っています。


部下とコミュニケーションを取ること、彼等の思いを汲み取ることの難しさを痛感した夜でした。


えっ? ○○○○って何なのか教えろって?


それはいつか貴方とお会いした時、直接お話ししましょう。 笑2


 

                      ・・・To be continued!

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