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女 王

あっ、ウチの奥さんの話ではありませんョ。

中高年の方は、1971年に放映された 『美しきチャレンジャー』 という美人ボウラーを主人公にしたTVドラマをご記憶でしょうか?


高度経済成長期の1960年代後半、庶民の間にレジャー志向が強まる中で爆発的なブームとなったのが〝ボウリング〟。


私の郷里・長野にも、100レーン以上を有する巨大ボウリング場が田んぼの真ん中(?)に突如出現し、プレーするのに2時間以上待ちが当たり前という今では信じられない人気ぶりでした。


そのブームの火付け役となったのが、美人女子プロボウラーの存在。


今日は、女子プロボウラーとして初めてパーフェクトゲームを達成した中山律子プロと並んで活躍した


 須田 開代子 プロ


の命日・・・没後20周年にあたります。


須田プロは1938(昭和13)年の東京生まれ。

3歳の時に父親がガンで他界したため、姉・兄との3人兄弟を、母親が工場で働いて女で一つで育てました。

学校で〝ててなし子〟とイジメられた彼女は、その劣等感を振り払うべく猛勉強を重ねてクラス委員になることで周囲を見返したとか。

負けず嫌いの性格を、生まれつき持ち合わせていたようです。


横浜商業高校にトップの成績で入学し、卒業後小さな貿易会社に入社したことが彼女の運命を決定づけました。

その会社が日本でボウリングのボールを製造しアメリカに輸出していたのです。

最初見た時にはタドンのオバケだと思ったそのボールを初めてレーンで投げたのが25歳の時だったそうですが、それからボウリングにのめり込んだ須田さんはボウリング場に日参して投げ込み、メキメキ上達。

そんな彼女が
第1回女子プロテストに合格し、日本国内初の女子プロボウラー (成績トップにより、ライセンスナンバー1番)になったのは、1969(昭和44)年のことでした。

というより、この女子プロ誕生も彼女自身が本場アメリカに渡って第28回BPAAオールスター大会に参加し準優勝したことで急遽日本プロボウリング協会が慌てて認定したもの。

つまりは彼女自身が女子プロボウラーを誕生させたパイオニアだったのです。


彼女と同じ一期生の中山律子プロや並木恵美子プロらは、テレビに引っ張りダコ。


毎週のように〝華麗なる戦い〟をブラウン管の中で繰り広げました。


          ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-須田開代子


彼女たちの活躍に触発され、私もご多分にもれずボウリングに熱中。


1日に5ゲーム以上やって、翌日右手の握力がなくなり箸をうまく持てなかったこともありました。


しかしこのブームは、1973年の石油ショックによって、あっけなく下火に。


巨大ボーリング場は次々に閉鎖され、TV中継も打ち切り・・プロボウラーが賞金だけで食べられる時代は過ぎ去ってしまったのです。


そんな中、ボウリング存続のため孤軍奮闘したのが須田プロでした。


       

       『須田開代子という生き方』 (笹山生子・著 チクマ秀版社・刊)

主婦を中心とした女性にボウリングを楽しんでもらおうと、ボウリング場経営者・支配人へのプレゼンやスポンサー探しのために東奔西走。

しかし反面、「自分がそうなったら、ボウリング界が廃れてしまう」 と言ってギャラを下げず、移動もグリーン車・・・決して自分を安売りしなかったとか。

まさしく自分が業界を背負っているという自負・・・いや、生来負けず嫌いだったという〝女の意地〟だったのでしょう。


そして1976年にはジャパンレディースボウリングクラブ(JLBC)を発足させ、初代会長に就任。 

トーナメント開催やイベント運営にかかわり、ボウリングの普及に尽力されたのです。


7歳年下のボウラー・西城正明氏プロとの結婚・出産そして離婚と、プライベートでも苦労を重ねた彼女・・・無理が祟ったのか、1985年には病魔に襲われ胃の2/3を摘出。


しかし、その後も忙しい日々が続いたことでガン再発の発見が遅れ、それが命取りになりました。

最先端のガン治療を受けるべくお姉さんの住むアメリカに渡りましたが、時既に遅く・・・1995年11月20日、57歳の若さで天に召されたのです。

須田さんの葬儀が執り行われたのは、品川プリンスホテルのボウリング場でした。


1980年代以降ボウリングブームが何回か訪れ、そして現在でも〝P★LEAGUE〟などの女子ボウリングトーナメントが開催されているのは、須田プロの献身的な活動があったからこそ。


公式戦43勝を誇る、真の〝美しきチャレンジャー〟にして、ボウリング界を支えた女王・須田開代子プロのご冥福を、あらためてお祈り致します。笑3




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