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破天荒

拙ブログ読者の皆様ならご存じの通り、私は 『宇宙戦艦ヤマト』 の大ファン。

今日は、このアニメ史上に燦然と輝く記念碑的名作の生みの親、

 西崎 義展 

の命日・没後5周年にあたります。


1934(昭和9)年、祖父が薬学者で父が銀行員というお堅い家に生まれた西崎氏は、杉村春子の舞台 『欲望という名の電車』 を観て感動し、役者を目指して文学座を受験。

そのため(?)東京大学の受験に2度失敗し一時期父親から勘当されたとか。

しかし文学座養成所時代に自動車事故に遭ってケガを負ったため、俳優の道を断念。

日大芸術学部を卒業後はジャズ喫茶の司会や解説などで糊口を凌ぎ、やがて音楽制作プロデューサーになるべく1963年にオフィス・アカデミーを設立。

しかし仕事がすぐに入るわけもなく、彼は水産品を扱う会社を並行して経営したり、ヨーロッパに渡航してフランス人プロモーターの助手を務めるなどしました。

そしてアニメの世界に入るキッカケとなったのは、1970年に知人の紹介で手塚治虫氏の主宰する虫プロダクションの子会社・虫プロ商事に入社したこと。

そして手塚治虫氏のマネージャーになり、
彼が初めてプロデュースしたアニメ作品が、1972年にテレビ放映され私も観ていた 『海のトリトン』。

この成功で西崎氏は虫プロの役員に招聘されますが、後に同作の版権を巡って手塚氏とは訴訟沙汰に発展。

勝訴したものの、手塚氏とは絶縁状態に。

そして1974年10月、あの 『宇宙戦艦ヤマト』 の放映開始。

当初は全51話の予定が低視聴率のため結局26話に短縮されたものの、なぜかその後空前の大ヒット。

海に浮かぶ戦艦が空を飛ぶという奇想天外な発想が若年層にウケたのでしょう。


この作品の企画書が、下記サイトでご覧いただけます。(

http://web.archive.org/web/20070105190058/http://homepage3.nifty.com/newyamato/data/__Index3.html

和文タイプで打たれ、(主人公らキャストの名前やデザインは公開された作品と違っていますが) この作品に賭ける意気込みがひしひしと伝わってきます。

西崎氏の母方の祖父は海軍大将だったそうですから、その血がこういう企画を思いつかせたのかもしれません。


           

1977年にはこれを編集した劇場版映画が大ヒットし、空前のヤマト・ブームに。

出演した声優さんも本来の黒子役からテレビに顔出しするなど引っ張りだこになり、声優が人気職種になるという社会現象も起こしました。

ただ、ヤマト・ファンの私も 「さらば!」 と銘打って沈んだ(?)はずのヤマトが再び復活したのには、若干失望しましたが・・・。うー

その後アニメだけでなく角川春樹氏と組んで実写映画のプロデュースも手掛け、ヤマトで得た莫大な収入を元手に毎晩派手に銀座で遊ぶ様子を写真週刊誌で見ましたが、絶頂期は長続きしませんでした。

続編が失敗し1997年に会社が倒産し、西崎氏自身も破産。


ヤマトの著作権をも手放す事態に追い込まれます。

更に覚せい剤取締法違反・銃刀法違反で逮捕・拘留され、更には松本零士氏と著作者がどちらかを巡って裁判となるなど、まさに泥沼状態。

松本氏との裁判は実質勝訴したものの、自らの刑事事件は有罪が確定し服役した西崎氏は2007年に釈放された後に 『宇宙戦艦ヤマト 復活編』 の監督・製作に携わりましたが、2010年11月7日・・・小河原諸島・父島近海でクルージング中に船から水中に転落し75歳で亡くなってしまいました。

乗っていた船の名は、〝YAMATO〟。

ヤマトで一世を風靡し、YAMATOから転落死した西崎氏の遺体は、多くのヤマト・ファンが見送る中、宇宙戦艦ヤマトの主題歌の流れる青山葬儀所から火葬場へと向かいました。

2ヶ月前、西崎氏と関りのあった人々が共著でこんな本を出版しました。

 『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気』 (講談社・刊)


       

ヤマト誕生に至るプロセスや秘話満載・・・ファンには読み応えがありますが、一方で西崎氏の人物像を知って少々幻滅するかもしれません。

なにしろ彼の転落死を知った関係者は一様に他殺だと思ったくらい敵が多かったそうですし、アニメでは〝愛〟を語りながら自身の私生活では3回の結婚・離婚を繰り返し、家庭を顧みなかったのですから・・・。うー

しかし、逆に言えば品行方正かつ平凡なサラリーマンには戦艦を宇宙空間に飛ばすなんて奇想天外なアイデアは、到底生み出せないことも分かります。

宇宙戦艦ヤマトのストーリーの如く、波乱万丈の人生を駆け抜けた〝怪物〟プロデューサーの冥福をあらためてお祈り致します。

その製作には一切関わっていませんが、もし西崎氏が亡くなった2年後に公開された 『宇宙戦艦ヤマト2199』 を観たら、どんな感想を漏らすのか?・・・ちょっと聞いてみたい気もします。




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