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品 格

昨日で日経新聞に連載されていた王貞治氏の『私の履歴書』が終わりました。

期待通り、今まで知らなかったエピソードをいくつも知ることができ、王氏を尊敬する私としては大満足。

その王氏に関し、彼を擁して9連覇を達成した名監督・川上哲治氏が自身の著作の中で明かしたエピソードをひとつ、ご紹介しましょう。


          ◆     ◆     ◆     ◆

王がダイエーの監督になって、まだ優勝する前のこと。

彼と友人が博多市内の小料理屋で夜分にビールを一杯飲んで食事をしていると、カウンターの向こうにいたサラリーマン風の3人連れのひとりがからんできたという。

「チームが大事な時に、酒なんか飲みにきやがって。」

「なにが世界の王だ、何年経っても優勝できないくせに。 東京に帰れ!」

としつこかったようだ。

店の空気もだんだんと凍りついてくる・・・が、王が黙々と箸を動かしていると3人連れの内若い2人が立ち上がってきて、からんでいる男に代わって謝罪したという。

「王さん、申し訳ありません。 あれはウチの部長なんですが、酒癖が悪くて・・・不愉快だったと思いますが、もう連れて帰りますのでお許しください。」

部長さんよりも若い部下の方が立派だったようである。


        

すると王は椅子から立ち上がって、


「そうですか。 それじゃあ、気を付けて送ってあげなさい。」

と言って、若い2人の握手の求めに応じながら、

「私たちには皆さんの応援が何よりでネ。ダイエーを応援してください。」

と頼んだという。

居合わせた客や店の従業員が、そんな王の姿に見とれていたそうだ。


          ◆     ◆     ◆     ◆

世界の王、国民栄誉賞第1号のヒーローに酔ってからむサラリーマンも凄いですが、それに怒らず騒がずファンを大事にする姿勢。

現役時代からファンのサインにはどんなに疲れていても応じたという王氏を、川上氏は〝裏表のない品格の持ち主〟と激賞しておられます。

『私の履歴書』 を拝読するに、王氏の類稀なる人格・品格は中国人だった父・仕福さんや兄・鉄城さんの躾や教えが大きく影響していることは間違いありません。

人作りは、まず家庭から・・・あらためて痛感させられました。

組織のトップに品格がなければ、部下はついていきません。

他の追随を許さぬ実績と誰もが認める品格を持ち合わせ、昨日の最終話で 「野球に恩返しをしたい」 と仰っていた王氏には、たとえ1期でもプロ野球コミッショナーに就任して欲しい・・・そう思うのは、私だけではありますまい。




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