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民族性

先日、拙ブログで東京五輪組織委の会長として森喜朗氏の代わりに私が推薦した、スポーツ界の名リーダー・川淵三郎氏が読んで感涙にむせんだ・・・という本があることを知り、さっそく取り寄せて読んでみました。

その書籍は、こちら。


 『逝きし世の面影』 (渡辺京二・著 平凡社ライブラリー・刊)


         


同書は、幕末から明治維新後にかけて来日した外国人が残した自身の日本における目撃・経験談をまとめたもの。

西洋人が見た極東の異文化は驚きの連続だったようですが、それは決してオリエンタリズムに感化され色眼鏡で見たものではなく率直な感想・実感が語られたものであり、ある意味当時の日本人を生き生きと描いているといえましょう。

非常に多くの文献が引用されていますが、例えばこんな記述が・・・。

◆彼ら(日本人)は私に不信を抱いたりあつかましくふるまうことは一度もなく、時には道案内のために、世話好きではあるが控えめな態度でかなりの道のりをついて来たり、あるいは子供たちにそれを命じたりした。

子供たちは外国人とばったりと出会うと叫び声をあげて逃げ去ったが、知り合いになるとすぐに打ち解け、群れをなして 「おはよう」 と挨拶した。

◆その日の旅程を終えて宿に着いた時、馬の革帯がひとつなくなっていた。 もう暗くなっていたのに、宿の男はそれを探しに1里(4km)も引き返し、私が何銭か与えようとしてのを「目的地まで全ての物をきちんと届けるのが自分の責任だと言って拒んだ。


◆みっともない格好の女は、休息した場所で普通2,3銭を断固として受け取らなかった。 私がお茶ではなく水を飲んだからだと言うのだ。 私が無理に金を渡すと、彼女はそれを同行の通訳に返した。


◆これ以上幸せそうな人々は、どこを探しても見当たらない。 喋り笑いながら彼らは行く。 遠くでも近くでも 「おはよう」、「おはようございます」 とか、「さよなら」 というきれいな挨拶が空気を満たす。 夜なら 「おやすみなさい」 という挨拶が。 この小さい人々が街頭でお互いに交わす深いお辞儀は、優雅さと明白な善意を示していて魅力的だ。

貧しくても、礼儀正しく快活で笑いが絶えない当時の日本人の姿を、多くの外国人がそこかしこで見かけ証言しています。

そして〝お・も・て・な・し〟の精神も、無意識に発揮されていることも・・・。


        

               外国人が描いた〝口上を述べる〟の図

また、隣国との比較で、こんなことを書き残した方もいました。

◆支那に長らく住んで、その背景の単調、その沿岸の不毛、ピエル・ロッティが『黄金の地獄』と言った、ヨーロッパ人がひどく嫌う恐ろしく醜い人間の群れが、汚い暮しをしているあの支那の部落の不潔を見慣れた者にとって、この日本との対照は全く驚異に値するものだった。

かつて 『黄金の国・ジパング』 といわれた日本と中国とでは、当時月とスッポン以上の差があったのかもしれません。

しかし日本人の文化水準・精神性の高さに驚く一方で、こんなことを〝予言〟した外国人もいます。

アメリカの総領事として来日したハリスは、日本に上陸後わずか2週間にして

「厳粛な反省・・・変化の前兆・・・疑いもなく新しい時代が始まる。


敢えて問う。 日本の真の幸福となるだろうか?」

と自問し、そしてその2年後には日本人への温かい心からの賛辞を漏らすとともに

「衣食住に関する限り完璧ともいえるひとつの共存システムを、ヨーロッパ文明とその異質な信条が破壊し、初めのうちはそれに替わるものを提供しない場合、悲惨と革命の長い過程が間違いなく続くだろう」

・・・と述べています。 またハリスの通訳だったヒュースケンも

「今や私がいとしさを覚え始めているこの国よ。 
この進歩は本当にお前のための文明なのか? この国の人々の質樸な習俗とともに、その飾り気のなさを私は称賛する。


この国土の豊かさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑声を聞き、そしてどこにも悲惨なものを見ることが出来なかった私は、おお神よ、この幸福な情景が今や終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳を持ち込もうとしているように思われてならない。」

と。 2人とも西洋文明が日本を悪い方向にもっていく、と予言していたのです。

おそらくそれは他のアジア諸国のように近い将来日本も植民地化されることを見越してのことでしょうが、幸いにも我が国は明治維新前後に植民地化されることなく、西洋文明を取り入れ富国強兵に成功し、独立を堅持しました。

とは言え、大東亜戦争に敗れアメリカ主導の戦後教育を素直に受け入れてしまったがために、結果的に彼らの予言は的中・・・日本人の道徳性は破壊され、狩猟民族の自己主張・権利偏重主義が浸透したと言えましょう。

しかし私は、日本人のDNAには、150~200年前に私たちの先祖が持っていた倫理観・道徳観がしっかり刷り込まれていると信じています。

この本は、その眠れる良き民族性を覚醒させるスイッチの役割を果たしてくれる・・・だから川淵キャプテンも涙したのではないか? と、私は推察します。 

少々分厚い本ですが、一読の価値はありますョ。

まずはしっかりと挨拶が出来る人間作りから始めましょう!扇子


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