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遅咲き

コミック好きな私、今まで膨大な数の作品を読んできましたが、その中でも独特の画風とエグい内容で強く印象に残っているのが、『ナニワ金融道』


マチ金の営業マンを主人公にしたこの漫画は、1990年から 『モーニング』 誌上で連載されましたが、当時金融機関に勤めるサラリーマンだった私には、非常にタメになる作品でした。


講談社漫画賞・手塚治虫文化賞を受賞したこの作品の作者は


 青木 雄二 さん


今日は、この異色漫画家の命日・十三回忌にあたります。


        


終戦の年・1945年に京都府に生まれた青木さんは、高校卒業後神戸の山陽電気鉄道に就職するも、3年で退職。 


次いで町役場の職員になりますが僅か3ヶ月で辞表を出して大阪へ。


以後キャバレーやビアホールの店員・寿司職人の見習いなど、30種以上の職を転々。


しかしこの転職経験が、後日コミック作品に大いに役に立ったとか。


元々絵を描くことが得意だったそうで、25歳の時に 『屋台』 という作品でビックコミック新人賞の佳作に入選するほどの腕前だった青木氏は、自らデザイン会社を設立するも倒産。


そして出版社に投稿を続ける中で徐々に注目を浴び、遂にモーニング誌上で 『ナニワ金融道』 の連載がスタート。


45歳という遅咲きの漫画家デビューとなりました。


           ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-青木 雄二


実はこの作品、5週間程で連載終了の予定だったそうですが、連載開始と同時に読者から爆発的な反響があり、長期連載が決定したのだそうです。


法律スレスレのヤミ金業者とお客との鬩ぎ合いは、登場人物の名前が有り得ないえげつなさでありながら、とても架空の物語とは思えぬシリアスな展開で、毎週読むのが楽しみ・・・というか、恐怖さえ感じたのを憶えています。


しかしこの作品一本だけで単行本売上げが1,000万部を超える大ヒットとなった青木さんでしたが、あっさり筆を置いて漫画家休業を宣言。


以後は『唯物論』・『青木雄二のゼニと資本論』・『さすらい』・『ナニワ青春道』など著作の執筆活動や講演で活躍することに。


しかし2003年9月5日、肺癌のため19歳年下の奥様に看取られ58歳の人生に幕を閉じました。 生前、青木さんは


「一番楽な仕事は公務員。 一番辛かったのはパチンコ屋の店員。」


と述懐していたそうな。 


その理由は客の吸うタバコの煙で室内の空気が悪かったから・・・青木氏の寿命を縮めたのは、もしかしたらパチンコ屋での〝受動喫煙〟が遠因だったのかもしれません。


自民党が大嫌いで共産党支持者でマルクスを信奉し、『ナニワ金融道』連載前はドストエフスキーの『罪と罰』を繰り返し読んでいたというインテリ派であり、背景にスクリーントーンを使うことを嫌い自ら逐一書き込んだがために腱鞘炎になった・・・という、反骨漫画家のご冥福をお祈りします。笑3



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