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納 棺

あれからもう干支が一回りしたとは・・・時の流れは早いものです。

今から12年前の今日・2009年2月22日(現地時間)、第81回アカデミー賞に於いて日本映画


 『おくりびと』

が外国語映画賞受賞という快挙を達成しました。

    


滝田洋二郎監督の同作は2008年に公開され、この3日前(日本時間20日)に第32回日本アカデミー賞・最優秀作品賞も受賞しましたから、まさにダブル・アカデミー賞に輝いたわけです。


制作のキッカケは、本作で主演を務めた本木雅弘さんが、この13年前に 『納棺夫日記』(青木新門・著) を読んだこと。


       

内容に感銘を受けた本木さんが著者宅を訪れて映画化の許可を得ました・・・が、脚本を読んだ著者がロケ地が原作の富山県ではなく山形県になっていたことや、エンディングが違うことなどから映画化を拒否。

その後何度も足を運んだものの翻意できず、結局全く別の作品として制作することとなり、タイトルも 『おくりびと』 に。

オーケストラのチェロ奏者だった主人公が、楽団が解散したことにより妻共々郷里・山形県に帰郷。

職探しをしている内に、「旅のお手伝い」という求人広告を見つけ、てっきり旅行代理店だと思って応募し即採用となったものの、そこは「旅立ちのお手伝い」をする納棺師の会社。

様々な体験を通して徐々に納棺師の仕事に充実感を持ち始めますが、周囲の偏見に遭い妻も実家に帰ってしまいます。

しかし或る日、納棺師の仕事をくさした幼馴染みから亡くなった母親の納棺依頼を受け、その幼馴染みや妻の目の前で納棺を行うことに。

私自身、約20年葬儀業界に身を置き、17年余り葬儀社を経営しましたが、その間複数の友人や知り合いから、

「なんでまた損保を辞めて葬儀屋なんか・・・」

と言われました。

でも私は自らの葬儀体験を通じてこの業界に飛び込み仕事に誇りを持っていましたし、実際にそれを口にした友人から葬儀の依頼を受け、滞りなく施行した後に

「自分が喪主になって、初めてオマエの仕事の尊さや大変さが分かったョ。」

と言われたことがありましたから、この映画には深く共感しました。

同作が話題になった直後、大手葬儀社や湯灌の専門業者には就職の応募が急増したそうですから、多くの方が感動したのでしょう。

しかし数ヶ月後、取引先の湯灌業者にその後の動静を聞いたら、殆どが続かなかったとか。

やはりご遺体の状況によっては綺麗事だけで済まない仕事ですから、相当な覚悟がないと続かないでしょう。

ところでこの映画によって、嬉しい復活を遂げた場所があります。

それは山形・酒田にあり、ロケで使われた『酒田港座』。


       


ここはロケ前の2002年に閉鎖されていた映画館だったのですが、公開後一気に脚光を浴びたことからアカデミー賞受賞4ヶ月後の2009年6月より営業を再開。

今では映画上映だけでなくリサイタルなど様々なイベントを開催しているとか。

一方で原作の舞台でありながらも映画版のロケ地とならなかった富山県ではアカデミー賞受賞後、県議会の委員会で映画ロケ誘致について富山県庁の消極的な姿勢が問い質され、担当課長が謝罪答弁をする羽目に・・・。

まさに泣き笑い、悲喜こもごもですネ。

地方自治体のお役人さん、今後映画のロケ話が舞い込んだら積極的に協力した方がいいかも。


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