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暴 動


1964年に新公民権法が成立するなど黒人解放運動が最も盛り上がっていたアメリカで、今からちょうど50年前の今日・・・歴史に残る大きな白人対黒人の衝突が起こりました。 それは

 ワッツ暴動

 Watts Riots

ワッツとは、カリフォルニア州・ロサンゼルス市のダウンタウンから車で南に約30分程の地区。(※事件当時はワッツ市)


元々は日系人を含む多民族が居住するエリアだったそうですが、第二次世界大戦勃発とともに日系人が収容所に連れて行かれ、そこに軍事工場労働者が居住。

しかし戦後はその大半が職を失ったため、殆どが黒人を占める大変治安の悪い地域になったといいます。


なのに同地区を取り締まる警官の殆どが白人だったといいますから、ある意味衝突が起きるのは時間の問題だったといえましょう。

そして1965年8月11日・・・ハイウェイ・パトロールの白人警官2人が、蛇行するなど不審な動きをするクルマをサウスセントラル地区で発見し、ワッツ地区で停車させました。

運転していた黒人青年を車外に出して取り調べていたところ、その周囲を黒人住民らが取り囲み、状況は緊迫。

そして警官の1人が警棒で青年を殴ったことに同乗していた母親(レナ・プライスさん)が腹を立てて警官に飛びかかり、彼女ともう一人の息子が逮捕されたのですが、一部始終を見ていた黒人たちは収まりません。

(※なおレナさんは暴動後、警察官を妨害した軽犯罪で有罪判決を受け30日の禁錮刑を言い渡されましたが、後に2年間の保護観察処分に減刑され、更に1966年には控訴裁が有罪判決を覆しています。)

警棒で威嚇する警官と黒人が衝突し乱闘に発展。
その後暴動は一気に広まり、警察官の襲撃や集団略奪・放火・破壊行為が各地で頻発。

ロサンゼルス市長が非常事態宣言・戒厳令を発令し、州兵が出動してようやく暴動は16日に沈静化しましたが、それまでに約600のビルが壊され、死者34人(内黒人は25人)、負傷者1,000人以上、逮捕者約4,000人を出すに至りました。

     


この事件をきっかけに、1966年にはニューヨーク・シカゴ・クリーブランドで、そして1967年にはニューアーク・デトロイト、更に1968年にはワシントンと、各地で暴動が発生し、アメリカは大荒れ。

これを鎮圧するために、警察は強力な武装をはじめとする犯罪鎮圧能力の必要性を認知し、映画でもお馴染みのS・W・A・Tや特殊部隊の創設が相次ぎました。


失業・猛暑などがこの事件の引き金になったとも言われていますが、残念ながらその後も1992年のロサンゼルス暴動、そして昨年ミズーリ州でも暴動が発生・・・双方ともキッカケは黒人に対する白人警官の暴行や射殺。

残念ながら、今後もこのパターンによる暴動発生は止みそうにありません。

それだけ、アメリカの人種問題は根深いということなのでしょう。

さて、この事件の起きたワッツには、有名なスポット・・・というか、オブジェがあるんです。 その名も、

 ワッツ・タワー

という、14本の塔。 (


       


これを制作したのはサイモン・ロディア Simon Rodia 1879-1965) というイタリア移民。

15歳の頃、ペンシルベニア州に死んでいた兄を頼ってアメリカにやってきた彼は、その兄が死んでしまい一人ぼっちに。

その後鉱山や建設現場の作業員として働き続けましたが、1920年にワッツにやってくるとその翌年に何故か突然 「何か大きいものを作りたい」 と三角形の小さな土地を買うと、そこに〝Nuestro Pueblo (私たちの街)〟と称する塔を作り始めたのです。

作業員経験はあっても建築に関しては全くの素人だったロディアでしたが、見よう見まねで鉄筋を溶接したりセメントで固めたり、ゴミ捨て場からビンやタイルを拾ってきては取り憑かれたように作業に没頭するロディア。


やがて住民たちも、「街のシンボルにしよう」と次第に協力すようになり、33年の月日をかけて1954年に完成させたのです。

彼は完成後しばらくしてワッツを去ったそうですが、その後1959年にロサンゼルス市が不許可建築物として取り壊そうとしたものの、映画・建築
関係者らの反対によって保護され、彼が亡くなった1ヶ月後に起きたワツツ暴動の際にも、地域住民が破壊・破損することは全くありませんでした。

逆に1990年にはアメリカの国定歴史建造物に指定され、今でも立派にそびえ立っています。


現在はこのワッツ・タワーの見学ツアーもあるそうですから、観光旅行でロスに立ち寄られた方は是非訪れてみてはいかが?

というか、昔ほど治安は悪くなくなったとはいえ、ちょっと1人で入り込むのは勇気が要る街・ワッツ・・・ここにレンタカーを借りて1人で行き、タワーの写真を撮ってくこれるかどうか? なんていう肝試しも、面白いかも?うー





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