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空中衝突

岩手県の雫石・・・というと、若い方にはスキー場を連想されるでしょうが、私同様50歳代以上の方はおそらく


 全日空機雫石衝突事故


を思い出すのではないでしょうか?

あの日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落事故が起きる前までは、死者162名という国内最大の犠牲者を出した忌まわしいこの航空機事故が起きたのは、今から44年前の今日・1971(昭和46)年7月30日のことでした。

同日午後1時25分、全日空58便(ボーイング727-281型機)は札幌・千歳空港から東京・羽田に向け乗客155名と機長以下乗員7名を乗せて離陸。


   
         ボーイング727-281型 同型機     

同機は巡航速度で岩手県内上空約8,400mを自動操縦で飛行していました。


そして一方、航空自衛隊第一航空団所属の教官と訓練生が操縦するF-86F戦闘機2機が編隊飛行訓練のため松島基地を離陸、秋田県横手市付近上空の訓練空域に向かいました。

そして同日午後2時2分頃、岩手県岩手郡雫石町付近の上空で全日空機と訓練生の操縦する戦闘機が衝突してしまったのです。

   
              F-86F 同型機


衝突により操縦不能になった全日空機は、そのまま急降下。
音速の壁をも突破し、上空約5,000m地点で機体は空中分解し、墜落。

その時の衝撃音は、10km近く離れた盛岡市内でも聞こえたほどの大音響だったそうな。

乗客・乗員は全員死亡。 

残骸は6km四方に飛び散り、猛烈な速度で地表に叩きつけられた遺体は見るに耐えない程の損傷だったといいます。


一方の自衛隊機も操縦不能になったものの、たまたまキャノピー(操縦席上部のフード)が脱落していたため機外に脱出してパラシュートで降下できたため無事。

機体は旅客機同様空中分解して落下。

幸いにも衝突地点が農村地帯だったため、部品が農家の屋根を貫通して女性がケガをした程度で人的被害は殆どありませんでした。


業務上過失致死および航空法違反で教官と訓練生は逮捕されたものの、その後の刑事裁判では訓練生は無罪。


そして教官については最高裁で懲役3年・執行猶予3年の刑が確定し、航空自衛隊の上層部については不問に。
(※ただし防衛庁長官は引責辞任)


しかし民事訴訟においては、被害者遺族が国を相手取った損害賠償訴訟が起こされ数千万円の支払いを命じる判決などが下され、また全日空と国は双方に機体損害の訴訟を起こし、全日空から国に7.1億円、国が全日空に2.7億円を支払うという過失割合に応じた判決が出されました。


当時東北地方では操縦士からの位置通報を元に指示を与えるという〝ノンレーダー管制〟方式だったために起きた事故であり、現在ではまず起き得ないケースとのこと。


とはいえ、この事故で一般的に知られることになった〝ニアミス〟はその後も起きています。 


人間のやることに完璧は有り得ませんから、どんなに注意してもし過ぎることはありません。


余談ですが、無罪を言い渡された訓練生はその後救難機のパイロットに転向し、2003年に定年退職するまで人命救助に尽くしたとのこと。

少し救われた気持ちになります。笑3




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