FC2ブログ
強 打

人気ボクシング・コミック 『はじめの一歩』 で、主人公・幕ノ内一歩が編み出した必殺パンチは、〝デンプシー・ロール〟。

今日は、そのパンチの元祖である元世界ヘビー級チャンピオン、


 ジャック・デンプシー

Jack Dempsey


の命日にあたります。


       


(本名:ウィリアム・ハリソン・)デンプシーは、1895年に貧しい靴屋の息子としてコロラド州マナッサで生まれました。


その後ウェストバージニア州やユタ州で育った彼は、家計を助けるために小学校を中退して16歳の時に家を出て炭鉱夫に。

そして賭け試合のボクサーや用心棒をして国内を放浪していた最中、その強さと野獣の如き鋭い目つきを見込まれ、ボクシングの世界へ。

それまでのボクシングは、後ろ足に重心をかけるスタイルでしたが、彼は初めて前掲姿勢を取って体をゆすり、その反動で左右の強烈なパンチを繰り出すスタイル、即ち〝デンプシー・ロール〟で強打を連発。

1919年に入って5連続初回KО勝利を飾った彼は、その勢いに乗って、同年7月4日に世界タイトルマッチに臨みます。

チャンピオンは、黒人初の世界ヘビー級王者ジャック・ジャクソンを破って国民的英雄となった、身長2メートル近い大男のジェス・ウィラード。

対するデンプシーは身長185cm・体重85kgと、ヘビー級ボクサーとしては当時でも小柄な部類。

しかし彼は臆することなく、チャンピオンに向かって猛突進・・・初回にいきなり7度のダウンを奪う(※当時はスリーノックダウン制はなし)と、その後もパンチを浴びせ続け、3回終了後TKOで勝利。

 ※その試合の模様を、こちらでご覧いただけます。(↓)



ご覧になってお分かりの通り、現在ならとっくにレフェリーストップになる一方的な試合。

しかし当時はラウンド途中でレフェリーが試合を止めることはなく、またダウンしても選手はニュートラルコーナーに下がらず、立ち上がった相手にすぐパンチを浴びせられましたから、グロッギーな選手は、まさにサンドバッグ状態。

この試合で負けたウィラードは顎を7ヶ所も骨折して歯も数本折られ、頬骨と肋骨数本を骨折、おまけに片耳の聴力を著しく失う羽目に。

また一方のデンプシーも、試合開始前に 「初回KО勝ちしなければ、ファイトマネーを支払わない」 とプロモーターから通告されており、事実その通りギャラはゼロ。

この〝トレドの悲劇〟と呼ばれた試合でデンプシーはチャンピオンになったものの収入はなく、おまけにあまりに凄惨な内容だったことから、彼にはすっかりヒール(悪役)のイメージが定着してしまいました。


1921年7月に行われた3度目の防衛戦では、アメリカで試合が行われたにも拘わらず、観客は相手のフランス人ボクサーを応援したそうですから・・・。

しかしこの試合で劣勢を挽回しKО勝ちを収めたデンプシーは、ようやくその実力通りの評価を手にすることができました。


その後も勝利を重ね、「大統領の名は知らずとも、デンプシーの名を知らぬ者はない」 とまで言わしめる超人気ボクサーになった彼は、通算戦績83戦 62勝(50KO)6敗9引分け 6無効試合を残して引退。


その後プロモーターを務めましたが、現役時代から付き合いのあったアル・カポネ一味から八百長試合を強要されるなどしたことから業界から手を引くことに。

とは言え、知名度を利用しマイアミ・ビーチでジャック・デンプシー・ホテルやレストラン経営に乗り出した際には、マフィアとの関係は続いたそうですが・・・。


プロモーター業からは手を引いたものの、1960~70年代にはモハメド・アリやジョー・フレージャーの試合会場にはよく顔を出していた彼が87歳でこの世を去ったのは、1983年5月31日のことでした。

       

現在のボクシングとは違う荒っぽい拳闘の世界を生き抜き、日本の漫画でその名を残す〝拳聖〟の冥福を、あらためてお祈り致します。


                人気ブログランキング

スポンサーサイト



コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック