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無伴奏

クラシック音楽ファンなら、この方の名を知らなければ〝モグリ〟と言われても仕方ないかも。

パブロ・カザルス

 Pablo Casals


今日・10月22日は、チェロの近代的奏法を確立したと言われる、この20世紀最高のチェリストの命日にあたります。


        


カザルスは、1876年にスペイン・カタロニア地方で生まれました。


4歳でピアノを始め、6歳の時に作曲もしたという彼がチェロを手にしたのは、11歳の時。

1888年から5年間、母親の勧めでバルセロナ市立音楽院でチェロ・ピアノ・音楽理論・作曲などを学びましたが、入学から半年後から町はずれのカフェ・トストで働き始めました。

その店でのカザルス少年のチェロ演奏が評判となり、遠くからも客が聴きに来たとか。


そして20歳の時からバルセロナの音楽学校で生徒を教える傍ら、パリやニューヨークなど演奏旅行で世界を回るように。

1905年にはピアノのアルフレッド・コルトーとヴァイオリンのジャック・ティボーと共にカザルス三重奏団を結成。

1908年からは指揮活動も開始しました。


1939年にスペイン内戦が勃発したことからフランスに亡命。

第二次世界大戦後は各国がフランコ政権を支持したことに抗議し演奏活動を停止したことも。


そして1955年には母親と妻・マルタの故郷・プエルトリコに移住し、1961年には弟子・平井丈一朗のために来日もしています。


「私はまず第一に人間であって、芸術家であることは第二だ。

私の人間としての責務は同胞の安寧にある。


これからも私は、音楽という神が私に与え給うた手段によってこの責務を精一杯果たして行きたい。

なぜなら音楽は、言語や政治や国境を超越したものだからだ。


私の世界平和への貢献などささやかなものであるかもしれない。

だがその神聖な思想のために、私のできる限りを捧げるつもりだ。」


こんな言葉を口にする程積極的に平和運動を行ったことでも知られた彼は、1971年にニューヨーク国連本部で、


「私の故郷カタロニアの鳥は、“Peace, Peace” と鳴くんです。」


と語って〝鳥の歌〟を演奏し、国連平和賞を授与されています。


※その時の演奏が、こちら。(↓)



この歴史的演奏から2年後の1973年10月22日・・・カザルスは心臓発作により96歳で大往生を遂げました。


名指揮者・フルトヴェングラーをして


「カザルスの音楽を聴いたことのない人は、弦楽器をどうやって鳴らすかを知らない人である」


と言わしめた彼については、従来の窮屈な奏法から右手を脇から離して自由なボウイング(弓使い)を行う画期的な近代奏法を確立した功績も見逃せません。

そしてもうひとつ彼を語るうえで外せない功績は、バッハの無伴奏チェロ組曲の発掘と名演を残したこと。


       


彼がこの組曲と出会ったのは、14歳の時。

バルセロナの古い楽器店でこの楽譜を偶然見つけ、以後10年以上に渡る研究の末1904年に初の公開演奏をしてからは、彼の代表的なレパートリーになりました。


 ※その名演を、こちらでお聴きいただけます。(↓)



今宵は、超一流の弦楽器奏者がこぞって使う名器・ストラディバリウスを 「自分には合わない」 と決して手にすることなく、1733年製のゴフリラーを愛用し続けたカザルスの奏でる重厚な音色を楽しみつつ、冥福を祈りたいと思います。笑3


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