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緻 密

今日は、名作・大作を多数世に出した日本を代表する女流作家、

 山崎 豊子 さん


の命日・七回忌にあたります。


       


 


山崎(本名:杉本 豊子)さんは、1924(大正13)年に大阪・船場で老舗昆布屋を営む小倉屋山本という店に生まれました。

1944年に旧制京都女子専門学校(現・京都女子大学)の国文学科を卒業した彼女は、毎日新聞社に就職。

大阪本社調査部を経て、1945年に学芸部に転属されたことが、彼女の運命を決したと言えましょう。

なぜなら当時の学芸副部長が、後に日本を代表する作家となる井上靖さんだったから。

彼の指導を受けながら記者としての修練を重ねた山崎さんは、やがて小説を書き始め、1957年には生家の昆布屋をモデルにした『暖簾』を発表して文壇デビュー。

同作はすぐに映画・ドラマ化されて人気を博すと、翌年には吉本興業の創業者・吉本せいをモデルにした『花のれん』で第39回直木賞を受賞したのを機に新聞社を退職し、作家に。

初期の頃は典型的な大阪商人の姿を描いた『ぼんち』、神戸銀行をモデルにした経済小説『華麗なる一族』など、地元・大阪を舞台にした作品が多く、1970年代後半からは戦争の非人間性を描いた『不毛地帯』・『二つの祖国』・『大地の子』の三部作が有名。

とは言え、私が初めて山崎さんの作品に触れたのは、本ではなく映画でした。

それは、大学医学部の内情を鋭くえぐった 『白い巨塔』。

口ひげをはやした田宮二郎さん演じる主人公が「財前教授の総回診が始まります」という声と共に、他の意志や看護婦を引き連れて病院の廊下をあたかも大名行列のように闊歩するシーン・・・子供の私には衝撃的で、今でもはっきり憶えています。


 


の後も映画やテレビドラマで彼女の作品に触れてばかりだった私が先に読んだ小説はといえば、日本航空をモデルにした超巨編の『沈まぬ太陽』。


1995~99年まで週刊新潮で連載された同作を、私は単行本として発売された1999年にすぐ買い求め、一気に(と言っても5冊もありましたから2週間あまりで)読了しました。


        

山崎さん自身は認めていないものの主人公は実在の元社員とされ、御巣鷹山墜落事故や経営不振を題材にフラッグキャリアの苦悩を描いた同作を読んで、私は彼女のストーリー構築力に舌を巻いたものです。

しかし私の目にはどちらかというと組合活動に身を入れ過ぎて中東・アフリカなどの支店をドサ回り(?)させられた主人公を擁護し会社に厳しい目を向けた、少々バランスを欠いた印象も否めませんでしたが。

やはり日航も同様に感じたようで、同作連載中の週刊新潮は機内サービスから外されたとか。


そしてこの作品を仕上げてから4年後、海軍軍人を主人公にした 『約束の海』 連載中、体調不良により緊急入院してから1ヶ月後の2013(平成25)年9月29日・・・呼吸不全により89歳でこの世を去りました。

綿密且つ粘り強い取材を重ね、ノンフィクションとフィクションを織り交ぜて書き上げた社会派小説はいずれも骨太で、

「万年筆の先から血が滴(したた)る思いで書いている」

と自らが仰る作品の殆どが映画・ドラマ化されたことからも、質の高さが証明されています。

ただ
参考資料を殆ど脚色せず作品に反映させたため、盗作の指摘を何度も受けてしまいましたが・・・。


取材で面談した某一流企業の会長が冷淡な態度を取った際、

「私を、そこらの作家と一緒にしないでください。 もう結構です!」

と激怒し憤然と席を立ったという〝女傑〟作家のご冥福を、改めてお祈り致します。
笑3

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