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通 訳

安土桃山時代、信長や秀吉ら戦国武将と交流があり、客観的にその当時の日本の様子や書き残したルイス・フロイスという外国人がいました。


※フロイスに関する過去記事は、こちら。(↓) 



そして今日は、そのフロイスの明治維新版とも言えるイギリスの外交官、

 
サー・アーネスト・メイソン・サトウ
      Sir Ernest Mason Satow

の命日・没後90周年にあたります。


        


サトウと言う名前から日英のハーフと思う方が多いと思いますが、実はそうではありません。
綴は“Satoh ” ではなく、“Satow ” ・・・これはスラヴ系の希少姓。

しかしその姓が、彼と日本とも結びつけたといっても過言ではない気がします。

彼は1843年にスウェーデン系ドイツ人の父とイギリス人の母の三男として、ロンドンで生まれました。

父親は三兄弟の中で最も優秀だった彼をケンブリッジ大学に進学させようとしましたが、宗教・家柄の問題でユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに入学。

このことが、彼と日本を結びつけるキッカケとなりました。

大学でローレンス・オリファントの著作 『エルギン卿遣日使節録』 を読んで日本に憧れたサトウは、1861年に英外務省に通訳生として入省し、清の北京で漢字学習を行いました。


そして1862(文久2)年、イギリスの駐日公使館の通訳生として横浜に着任すると、アメリカ人宣教師や日本人から日本語を勉強。

途中薩英戦争にも従軍するなどしながら、欧州留学から帰国した伊藤博文と文通を通して交流が始まり、下関戦争時には長州藩との講和交渉に通訳として同席し高杉晋作らと会話を交わしています。

1865年に通訳官に昇進すると、それまで以上に伊藤博文や井上馨との文通が頻繁になり、情報交換をするように。

この頃から薩道愛之助・薩道懇之助という和名を使うようになった彼は、ハリー・パークス駐日公使に同道して神戸や大阪へ。

サトウという名前も相まって、日本語に堪能な外国人として次第に有名に。


その彼が1866年3~5月にかけて横浜で発行されていた週刊英字新聞『ジャパン・タイムス』に匿名で発表した論文は、後に『英国策論』として和訳され、西郷どんも引用するほど大きな話題になったそうな。

その後慶喜が将軍になった際に謁見もした彼は、
1868年(慶応4)年1月に通訳として最高位である日本語書記官に昇進。

幕臣の勝海舟や、新政府軍の後藤象二郎・桂小五郎・大久保利通ら、また岩倉具視などと会談し豊富な人脈を築いた彼は、1869年には明治天皇にも謁見。


       

その後一時賜暇で帰国するも、1870年11月に再来日。


政治活動を続けると同時に関東一円を視察旅行し、またこの頃日本人女性・武田兼を内妻として迎えました。

(彼女との間には後に3人の子をもうけていますが、経済援助はしたものの認知はしませんでした。)


       


その後も日本各地を旅してまわり、1875年に再び賜暇帰国。


1877年に3度目の来日をすると、1884~1895年まではシャム・ウルグアイ・モロッコの駐在領事を務め、1895年に駐日特命全権公使として再来日。

日清戦争の勝利や1899年の治外法権撤廃もその目で見ることに。


1900年から駐清公使として6年間北京に滞在した彼はイギリスに戻り、枢密院顧問官、ハーグ平和会議における英国代表次席公使などを務めて引退。

その後著述に従事した彼が86歳でこの世を去ったのは、大恐慌のあった1929年8月26日のことでした。

サトウは多数の著書を遺しましたが、その中でも私たちにとって貴重なのは、


 『一外交官の見た明治維新』 (上・下 岩波文庫・刊)

 


 


これはサトウが初来日した1862年から1869年に一時帰国するまで7年間の回想録。(執筆したのは、1885~1887年)

その間彼が出会った明治天皇や幕府側・新政府側双方の人物像や当時の日本国内事情、また外国人に対する日本人の反応などを記したもの。

明治維新前後の歴史書の多くはどちらかというと新政府視点で書かれたものが多いですが、これは双方の事情を知る外国人が客観的な目・・・というか、外国人目線で書かれています。

1921年にイギリスで出版されたものの、日本国内では発禁処分となり、それが解禁されたのは戦後の1960年になってから。

だからこそ、歴史的な文献としての価値があるとも言えましょう。

歴史ファン(?)ならずとも、日本近代史を知るうえでは一読する価値がありますョ。


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コメント
コメント
おー! 面白そうです。
読みまーす!!
2019/08/26(月) 21:53:45 | URL | はーとまいんど #- [ 編集 ]
◇はーとまいんどさん
コメントありがとうございます。
ぜひご一読ください!(^o^)/
2019/08/27(火) 03:35:15 | URL | ナベちゃん #- [ 編集 ]
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