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自己抑制

今日は、私の愛読誌・月刊『致知』9月号に掲載された対談から、98歳になられる井口潔・九州大学名誉教授の印象深い言葉を抜粋・編集にてご紹介致します。

          ◆     ◆     ◆     ◆

ご存知のように日本は戦後、アメリカの占領政策を経て昭和27年に独立しました。

ところが占領期は仕方がなかったとしても、アメリカから押し付けられた教育に問題があればきちんと正すべきなのに、日本は全くそれをしなかった。

それどころか、江戸時代から続く古典の素読など伝統的な教育を捨て去ってしまったんです。

日本人が人間として不可欠な〝自己抑制の機能〟を失い始めたのは、そこからですよ。

アメリカ流の教育はデューイに代表されます。

彼は進歩主義教育運動を主導した教育学者で、要するに管理教育はやめて教師と生徒は友達のような関係になる、その方が子供たちの人間性は伸びる、という今日まで続く子供中心主義の理論的根拠を考え出したんです。

       

ところが1970年代になると、当のアメリカで教育は荒廃し始め、その荒廃の波は日本にもやってきました。

その頃の日本は管理教育を謳いつつも、アメリカで破たんしたはずの進歩的な教育法を一つの考え方として認める、という姿勢でした。

当然、日本固有の自己抑制教育については何の検討もされないまま、置いてけぼりにされてしまったわけです。

言い換えれば、本当の人間教育ということを考えてはこなかった。


その結果として、自己抑制力が脆弱なすぐキレる子や未熟な大人が増え、近年耳を疑うような青少年の反社会的行為が増えてきたことは、申すまでもないでしょう。

「人間の赤ん坊は類人猿の身体に巨大脳をつけた生物(ヒト)である・・・というのが、私の考えです。

そのニューロン回路は3歳頃までに大人の80%くらい、10歳頃までにほぼ大人の状態に近づくのですが、その時にヒトから人間になるわけです。

体の仕組みは生まれた時から大人と殆ど同じなのに、心は約10年間、大人から教育を受けて人間になるようつくられているんですね。

私は12年前、そのことにようやく気付いたのですが、このことを〝ヒトの心は約10年間の生理的早産〟と言っています。

その10年間の重要さを把握していたのが、江戸時代の伝統的教育なんです。

子供達は6歳から藩校や寺子屋に通い、「意味は分からなくてもいい、今に分かる」 という師匠の指導の下で、『小学』や『論語』、『大学』といった優れた古典を繰り返し繰り返し素読しました。

これは医学的に〝パターン認識〟と言われるものです。

幼年期に教えられた道徳的な教えは、このパターン認識によって感性能(魂)に記憶され、その人の人格形成に影響を与えて行きます。

青年期になって道徳教育を始めても論理的に知性脳に認識されるばかりで、処世術で終わってしまうことが多いんです。

理由はどうあれ、10歳までのに善悪や正邪の区別、人間として恥ずかしいことなど、人間としてあるべき姿を躾ける、そのことで自己抑制力が身について行く。

先人たちは図らずもそのことが分かっていたのだと思います。


           ◆     ◆     ◆     ◆

鉄は熱いうちに打て、ですネ。

学校でやらないなら、ご家庭で行うしかありません。
我が子の将来のために・・・。

この夏休みから、こんな本を買い求めて親子で素読を始めてみませんか?


      


 

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