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五目並べ <上>

損保勤務時代、私はかなりのアナログ営業マンでした。


取引先と飲む・打つ (買うはなし!あせあせ ) は当たり前。


馬券なんて買ったこともないのに、スポーツ新聞を一生懸命読んでは馬名を覚えて競馬論議に加わったり、朝まで飲んだ挙句に取引先社長と昵懇のママさんをタクシーで送ったり・・・今思えば古き良き、懐かしい時代でした。


なんてったって、〝新規大口契約獲得の際、一度として見積書を提示したことがない〟 のが私の自慢でしたから。


コンプライアンスがうるさい現代のデジタル営業マンには、ちょっと考えられないでしょうけどネ。


さて、そんな私が当時担当していた中で最も契約額が大きかった取引先に、70歳を越すDさんという社長がいらっしゃいました。


創業者だけに相当クセのあるおじいちゃんでしたが、このD社長の趣味が 『五目並べ』。


私が昼休みにオフィスにいる時など、必ずやってきては


「おい、ナベちゃん。 ちょっと付き合えや。」


と言うなり、人の都合も聞かずに応接セットにドカッと座ってテーブルの下から碁盤を出すんです。 

付き合いのいい私は決して断らず、30分以上パチパチとお付き合い。


       ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-五目並べ


そんなある日のこと・・・いつものように碁石を並べていると、D社長がおもむろに


「そうだ、ナベちゃんに頼みがあるんだ。 

 ここにある封筒、○△商会に届けてくんねぇかな。


 オレは今日、別の用事があるんだワ。」


その○△商事は以前D社長と訪問したことがあり、たまたま午後にその近くを通る予定だったので、


「あぁ、いいッスョ。」


と受け取って午後一番に先方へ届け、夕方D社長の事務所に寄ってご報告。


「社長、言われたとおり届けてきましたョ。」


「おぅ、そうか。 それで?」


「えっ、何スか? それで・・・って。」


「だから、届けただけなのかって聞いてんだョ。」


「そうっスょ。 だってそうしろって言ったじゃないですか、社長が。」


「おい、ナベ・・・おまえ、バカかっ!」 怒


と、突然ブチキレたじゃないですか。

オレ、何か悪いことした?


 


                   ・・・・・To be continued!



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