FC2ブログ
審 査

ショパン国際ピアノ・コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールと並び、世界三大コンクールのひとつとして最も権威のある


 チャイコフスキー記念国際コンクール

が、今日からモスクワで開催されます。(7月4日まで)

第1回は、私の生まれた1958(昭和33)年。

当時はアメリカとソ連を中心とした東西冷戦の最中でした。

宇宙開発競争では1957年10月にスプートニク1号の打ち上げに成功し、世界初の人工衛星を地球周回軌道に乗せ一歩リードしたソ連が、芸術・文化の世界でも西側より優位に立っていることを誇示するべく開催されたこのコンクール。


しかしピアノ部門で優勝したのは、アメリカのヴァン・クライバーン。
皮肉にもこの結果が、東西の緊張緩和に一役買ったともいわれています。

※クライバーンに関する過去記事は、こちら。(↓)
  http://ameblo.jp/warmheart2003/entry-11891023452.html

以来4年に1度(※第13回のみ5年のブランク)、第1回はピアノとヴァイオリン部門だけでしたが、現在はその他にチェロと声楽の4部門で開催され、ウラディミール・アシュケナージやギドン・クレーメルなど多くの演奏家がこのコンクール優勝後に活躍。

日本人でも1990年にヴァイオリンで諏訪内晶子さん、1998年に声楽で佐藤美枝子さん、2002年にピアノで上原彩子さん、2007年にヴァイオリンで神尾真由子さんが優勝を果たしています。

何故か、全員女性ですが・・・。


このコンクールの参加資格は演奏部門が16~30歳まで、声楽部門が19~32歳までと制限がありますが、応募時に演奏映像の提出を求められ、予備審査を経て本選に進めるのは100名以上の応募者の内ピアニスト30名、ヴァイオリニスト25名、チェリスト25名、そして男・女各20名の声楽家のみという狭き門。

ところで皆さん、音楽コンクールではどうやって順位をつけると思いますか?

タイムや直接対戦で明確に勝負が分かるスポーツ競技とは違い、審査員の主観が全ての芸術分野では、どう審査するのか・・・。

その辺の事情を含め、このコンクールの内幕を教えてくれるお勧めの本があります。

 チャイコフスキー・コンサート -ピアニストが聴く現代-


      


新潮文庫から刊行されているこの本の著者は、中村紘子さん。

クラシック・ファンに説明は不要でしょうが、彼女は日本人として初めてフル・スカラーシップを得てジュリアード音楽院に入学、ショパン国際ピアノコンクールで第4位と最年少者賞を受賞した、日本を代表する女流ピアニスト。

そしてショパンやチャイコフスキーなど数々の国際コンクールの審査員を歴任されている方。


その経験を踏まえて書かれた同著は、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した秀作です。

この権威あるコンクールに世界各国から集められる20名以上の審査員のコンセルヴァトワール(審査基準)は何なのか?

当代一流のピアニストとの比較ではない、と言いながらなぜ1位に該当者なしという事があったのか?

その内幕と共に、ピアノ界全体の流れを含め芸術の世界も政治によってかなり左右されることが分かります。


またコンクールの最中に、審査用紙の余白に彼女が猫の絵を落書きしていたら、横から後ろから他の審査員の手が伸びてきて次々に書き加えられる・・・なんて裏話も。

そりゃあ1ヶ月近く同じ課題曲を聴かされ続けたら、審査員だって息抜きしたくもなるでしょう。

ちょっとホッとしますネ。笑2

さて1ヶ月後、日本人優勝者が出るかどうか?・・・楽しみです。扇子



スポンサーサイト



コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック