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転 用

年配の映画ファンなら、この方の名はご存知のはず。

今日・4月10日は、『太陽がいっぱい』・『山猫』・『ロミオとジュリエット』等数多くの作品の音楽を手掛けた、イタリアの生んだ最高の映画音楽作曲家、


 ニーノ・ロータ

    nino rota


の命日・没後40周年にあたります。

       

一般的に映画音楽の巨匠として知られていますが、ロータ本人はそう言われることを嫌い


「私の本職はクラシックの作曲家。 映画音楽は楽しみで書いている。 

お金儲けにもなり、一石二鳥だ。」


と言っていたとか。

そんな彼は1911年、マンドリンを弾く父とピアノを弾く母との間にイタリア・ミラノで生まれました。


早くも7歳で作曲を手がけ、ミラノ音楽院の聴講を許された14歳の時には早くもオペラを作曲する程の才能を持ち、17歳でサンタ・チェチーリア音楽院を卒業。


確かにクラシック音楽の王道を歩んでいたわけですが、そんな彼に新たなジャンルの音楽と触れる機会となったのは、あのトスカニーニの推薦を受け奨学金を得てアメリカ・カーティス音楽院に留学したことでした。


アメリカに滞在した2年間、彼は頻繁に映画館に出入りして映画音楽やジャズを聴き、大いに触発されたようです。


帰国後は音楽教師を務め、1950~77年までバーリ音楽院の院長在任中はリッカルド・ムーティなどを育成。

それと並行して映画音楽を本格的に手がけるようになったのは、名監督フェデリコ・フェリーニとの出会いでした。


       

             フェリーニ監督(左)とロータ


1951年に彼の作品 『白い酋長』 に曲をつけて以来、ロータが亡くなるまでの殆どの作品の音楽を手がけさせるほど、フェリーニ監督はロータを気に入っていたようです。


2010年のバンクーバー五輪・男子フィギュアで、日本人(アジア人)初のメダル(銅)を獲得した高橋大輔選手が使った音楽は、同監督作品 『道』 のテーマ・・・これもロータの作品です。



そして最も有名な作品といえば、『ゴッドファーザー』 (1972年公開)でしょう。


中でもあの何とも切ない〝愛のテーマ〟は、世界中の人々が知っているメロディーだと思うのですが・・・実はこの作品、アカデミー賞の作曲賞・主題歌賞を受賞はおろか、ノミネートすらされなかったことをご存知でしょうか?


その理由は、このテーマのメロディーが過去にロータ自身が作曲した別の作品からの転用だったことが、選考基準に抵触したからなのだとか。


(でもそういった転用、ベートーベンを始め多くの作曲家が行っている事なんですけどネ。)


そして一旦作曲賞にノミネートされたのに取り消された理由・・・それは、ロータの活躍を妬んだ同じイタリア人の作曲家たちが、選考委員会に匿名電話でチクッたから。


いやはや、人間の嫉妬は恐ろしい。


しかしその2年後、『ゴッドファーザー Part.Ⅱ』 で見事アカデミー作曲賞を獲得・・・これだけの名曲ですから、当然といえば当然でしょう。


そんな裏事情を慮りつつ、今宵は〝愛のテーマ〟を聴きながら、1979年4月10日に心臓発作で67年の人生に幕を閉じた、マルチ音楽家の冥福を祈りたいと思います。



 


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