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迷 宮

世界的に有名な絵画は、その高い価値・希少性から過去に様々な盗難事件に見舞われてきました。

ダ・ビンチのモナリザやムンクの叫びも被害に遭ったことがありますが、それらは幸いにも戻ってきて事無きを得ていますが・・・。

しかし6年前にピカソやモネなど有名画家の作品7点が盗難された事件では、逮捕された犯人の母親が証拠隠滅のために燃やしてしまい、その被害総額が100億円超という悲劇的な結末を迎えました。

これらは皆海外で起きていますが、日本でも過去に絵画の盗難事件は起きています。

その際たる例が、今からちょうど50年前の今日起きた


 マルセル盗難事件

といえましょう。


      


1968(昭和43)年11月9日から、京都国立近代美術館で、『ロートレック展』 が開催されました。

ロートレック(1864-1901)は、36歳という若さで没したフランスを代表する画家
ですが、この展覧会は彼の遺作を数多く所蔵するアルビ美術館が共催し、他にも欧米からフランス文化庁がまとめて借り受けフランス政府の全面協力のもと彼の作品231点を展示するという、かつてない大規模なものでした。


       

         Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa


大変な盛況で、当初の予定だった12月25日までの開催日程を2日間延長したのですが、その最終日・12月27日の朝、最も人気の高かった 『マルセル』 (縦46.5cm×横29.5cm) が忽然と消えていることに職員が気づいたのです。

時価3,500万円(現在の1億3千万円前後)の名画が盗まれるという大失態に、対仏関係を憂慮した日本政府は、美術館館長の辞任と1千万円の懸賞金を出すという異例の対応で発見に全力をあげました。

しかし事件発覚から3日後に美術館近くの疎水付近で額縁が発見され、年が明けた1月4日には事件当夜当直だった55歳のガードマンが自殺するという悲劇が起きましたが、肝心の絵画の行方は要として杳(よう)として知れず。

結局7年後の1975年12月27日、犯人の特定はできず絵画も行方不明のまま時効が成立し、事件はお宮入りに・・・と誰もが思ったその1ヶ月後に、急展開が。

1月30日の朝日・毎日新聞朝刊に、『マルセル』 発見の記事が1面トップに踊ったのです。

       


大阪市在住の会社員夫婦が、「マルセルではないか」 と朝日新聞社に連絡してきたのです。

スクープを朝日新聞に抜かれ、展覧会の主催だった読売新聞は赤っ恥をかいた格好ですが、まずは絵画が無事に戻ってナニヨリでした。

事情聴取に対し、その会社員夫婦はその2年半前に旧知の中学校教師から風呂敷包みを預かるよう頼まれ、押し入れに保管していたとのこと。

後に中身が絵であることを知ったものの、どんな作品かまでは気にかけなかったそうですが、届け出る1週間前に夫が仕事の関係で外国の絵画の本を眺めている時に、預かり品のことを思い出したそうな。


風呂敷を開けてあらためて調べてみたところ、ロートレックの作品であることが分かりビックリ。

知人に相談して 『マルセル』 が盗まれていたことを知り、朝日新聞社に連絡したというのです。


絵は読売新聞社を通して無事アルビ美術館に返還されましたが、問題は犯人。

当然その中学校教師が疑われましたが、彼は

「中身を知らぬまま知人から預かった。」

と供述するのみで、誰からどうして預かったのかは、一切口外せず。

時効成立後のため、警察もそれ以上追求できませんでした。

作品が発見されたことは不幸中の幸いでしたが、盗品を換金もせず自分で毎日眺めもせず他人に預けたまま・・・一体、犯人の目的は何だったのでしょうか?

中学校教師はそれ以降も学校勤務を続けたそうですが、もし生きていれば今は80歳前後。

是非今からでも犯行動機と手口を含め、真相を語って欲しいものですが・・・果たして?


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