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復 活

私は小学校1年の時からピアノを習い始めたのですが、レッスン中に

「世界で一番ピアノが上手い人は、誰?」

と女性のビアノ教師に聞いたことがありました。 
彼女が即座に口にしたピアニストの名が


 アルトゥール・ルービンシュタイン

        Arthur Rubinstein


舌を噛みそうな長い名前だったことで、未だに私の記憶にはっきり残っているのですが・・・今日はこの20世紀を代表する名ピアニストの命日、日本流に言えば三十七回忌にあたります。

       


ルービンシュタインは1887年にポーランドの中心都市ウッチで8人兄弟の末っ子として生まれました。

父親が工場主を務める裕福なユダヤ人家庭だったそうですが、2歳の時にピアノの練習をしていた姉の演奏を即座に再現するという、モーツァルト並みの才能を発揮。

彼自身、4歳の頃には 「自分は神童だ」 と自覚していたというのですから、驚きます。

7歳の時にデビューすると、13歳の時にベルリン・フィルと共演。


1906年には渡米してカーネギーホールでリサイタルを開くなど、その神童ぶりを世間に知らしめました。


その後世界各地でリサイタルを開くも生活に困窮し、自殺未遂も起こしたこともあったそうですが、見事に復活。

彼は絶対音感を持っていたばかりでなく、8ヶ国語を流暢に操る抜群の記憶力の持ち主だったそうで、一度見た楽譜は音符だけでなく余白についていたシミまで憶えていたそうな。

一度目にした光景や出来事を全て記憶してしまう特殊な能力を持つ主人公を描いた 『アンフォゲッタブル』 というアメリカのTVドラマがありましたが、まさにそんな感じだったのかも。

故にそのレパートリーはバッハなどのバロックからドビュッシーなどの近代音楽まで幅広く、特に出身地ポーランドの生んだピアノの詩人・ショパンの演奏に関しては定評がありました。

ただ自分自身ある程度の練習で弾けてしまう事を知っていただけに、いかに効率よく人気の出る演奏をするか腐心していた時期があったとか。

そんなルービンシュタインの安閑とした心に火をつけたのが、17歳年下でロシアから彗星のように現れたピアニスト・・・我が敬愛するV.ホロヴィッツでした。

彼の正確無比かつ力強い演奏に引け目を感じた彼は、夫人を伴って山籠もりの特訓を敢行。

見事に一回り大きくなってステージに立つようになったと言いますから、やはりライバルの存在って大きいんですねェ。あせあせ


普通の勤め人なら間もなく定年が見えてくる50歳代になってからむしろ輝き出し、1966年にはTIME誌の表紙を飾った、いわゆる大器晩成タイプの彼が他の追随を許さなかったのが、演奏キャリアの長さ。

                

1976年、89歳の時にカーネギーホールで引退リサイタルを行うまで、実に80年に渡って弾き続けたのですから、恐れ入ります。


その6年後の1982年12月20日、就寝中に天に召された彼の年齢は95歳・・・まさに大往生といえましょう。

ホロヴィッツと違って曲を選り好みせず、ショパンの曲はほぼ万遍なく演奏し、また決してリサイタルをキャンセルしなかったという律儀だった巨匠のご冥福を、お祈り致します。

それでは最後に、19世紀ロマン派の香りを感じさせるショパン『英雄ポロネーズ』の演奏をお聴きください。(



 


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