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絶 版

誰にでも子供の頃読んだり、親に読んでもらった絵本や童話で記憶に残る作品があると思います。


私の場合は、『きかんしゃ やえもん』 と、


『ちびくろ・さんぼ』


特に後者は、赤や黄色の鮮やかな色使いの絵と、走り回るトラが溶けてバターになるという奇想天外なストーリーが今でも忘れられません。


元々この童話は、軍医の夫と共にインドに滞在していたスコットランド人のヘレン・バンナーマンさんが、我が子のために書いた手作りの絵本だったとか。


これがイギリスの出版社に紹介され1899年に発刊されたのですが、著作権がはっきりしていなかったこともあり、アメリカではストーリーや設定を変えた海賊版が横行。


日本で最もポピュラーであり、1953年に岩波書店から発刊され私も読んだ 『ちびくろ・さんぼ』 も、その海賊版を元にしています。


確かによく考えたら、アフリカにトラはいませんものネ。あせあせ


       ちびくろサンボ


しかし今からちょうど30年前の今日・1988(昭和63)年12月12日、岩波書店が突如この絵本を販売中止・絶版にすると発表したのです。


当時約70種類に及ぶ 『ちびくろサンボ』 が発刊されていたそうですが、それから2ヶ月弱の間に全て同様に絶版扱いされ、書店から完全に消えてしまいました。


その理由は、内容が 「黒人蔑視・人種差別にあたるから」 。


きっかけは、その年にアメリカ 『ワシントン・ポスト』 紙が日本のデパート等で使用していた黒色のマネキン人形を黒人蔑視だとする記事を掲載。


それを発端として 『黒人差別をなくす会』 という、両親と子供3人で立ち上げた市民団体(?)がこの本の発行元全てに廃刊を訴える手紙を出したことでした。


当時この本が黒人を差別していると指摘された理由は、


◆登場人物の〝サンボ〟という名が、奴隷の名として一般的

◆地面に落ちたバターを食べる表現が野蛮

◆169枚もホットケーキを食べるのは非常識な大食漢で、馬鹿にしている


等々だったそうですが・・・個人的にはこの絵本を読んだ時、これをもって黒人を蔑視しているなどという気持ちには全くなりませんでしたけどねェ。うー


またこんなことで逐一イチャモンをつけていたら、『みにくいアヒルの子』 など多くの童話も廃刊する羽目になると思うのですが。


差別感に関しては個人差がある故これ以上は申し上げませんが、私が驚いたのは出版社の対応です。


: widow-orphan;">岩波書店が廃刊を決定したのが、抗議文を受け取った僅か4日後だったこと。


同書店では既に100万部以上売っていたそうですから 「もう十分」 と思ったのかもしれませんが、表現の自由を憲法が保障しているにも関わらず、こんな簡単に絶版するとは。


アメリカでは、これより遥か前から同書に関して黒人差別問題が起きていますが、議論の対象になりこそすれ絶版にはなっていません。


他の出版社も一斉に追随した背景には、差別問題に対するマスコミの過剰な報道姿勢にあったのではないでしょうか?


バッシングを恐れて即座に絶版を決めた・・・これが真相のように私には思えるのです。


それが証拠に、その後複数の出版社から復刊され、2005年には瑞雲社から岩波書店版とほぼ同じものが出版されましたが、マスコミが取り上げられなかったせいか問題視されることもなく5ヶ月で15万部も売れ、現在でも販売されていますから。


一部の先鋭的(というより左翼的)な意見をセンセーショナルに取り上げ、対象者・企業を一斉かつ一過性で叩くマスメディアの手法は、当時も今も変わっていませんネ。


この一連の〝ちびくろサンボ問題〟に関して、詳しくお知りになりたい方には、


 『ちびくろサンボよ すこやかによみがえれ』 
                     (灘本昌久・著 径書房・刊)


        ちびくろサンボ  


という本がオススメです。(少々古いですが。)


子供たちに夢を与える本を大人たちの屁理屈(?)で世の中から抹殺することは、避けて欲しいものです。


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