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名 訳

今日は、ドイツの詩人・作家であった

 カール・ヘルマン・ブッセ

 Karl Hermann Busse


の命日・没後100周年にあたります。

       

ブッセは1872年にドイツ帝国ボーゼン地区(現在のポーランド)で生まれました。

ヘルマン・ヘッセの才能を高く評価し、自ら編集した『新進ドイツ抒情詩人』シリーズに加えた新ロマン派の詩人で、1918年12月4日に46歳で亡くなりました。

・・・と言われても、「この人、誰?」 と首を傾げる方が殆どでしょう。

それもそのはず、実は彼、母国ドイツでも殆ど知られていないんですから。

ではなぜそんな無名の詩人を取り上げたかというと、彼の作品のひとつが超有名だから。

それは、この詩。


『山のあなたの 空遠く  「幸(さいわい)」住むと 人のいふ

 噫(ああ)われひとと 尋めゆきて  涙さしぐみ かへりきぬ

 山のあなたに なほ遠く  「幸」住むと 人のいふ』

「あぁ、あれか。」 と膝を叩く中高年層の方が多いはず。

この 『山のあなた』 と銘打たれた詩を翻訳したのは、


 上田 敏 (1984-1916)


という詩人・翻訳家・評論家。

       

彼が32歳で東大の講師を務めていた時に出した、
詩人29人の57作品をまとめた訳詩集 『海潮音』 の中の1篇として、この作品が収められていました。

彼の名訳により、口ずさみやすく情景が思い浮かぶこの詩は、国語の教科書にも掲載されましたから、多くの方の記憶に残るのは必然。

今でも暗唱できる方も少なくないでしょう。


       


ところで、私には昔から不思議に思っていることがあるんです。

なぜ〝山の彼方(かなた)〟ではなく、〝山のあなた〟なのか?

ご存知の方がいたら、是非ご教授いただきたく・・・。

でも〝かなた〟ではなく〝あなた〟だったことで、凄く得をした方もいらっしゃるんです。

それは昨年4月に亡くなられた、落語家の三代目・三遊亭圓歌師匠。

       

師匠がまだ二代目・三遊亭歌奴時代に、新作落語 『授業中』 でこの詩の冒頭を使った 「山のあな、あな、あな・・・」 が大ウケ。

実はこれ、吃音だった師匠がそれを逆手に取ったギャグだったとか。

この名(迷?)フレーズのおかげで、落語協会会長になれた・・・なんて噂もチラホラ。
あせあせ

作者本人の母国より地球の裏側で有名になったばかりか、詩の一節がお笑いのネタになった事を、ブッセ本人は天国からどういう気持ちで眺めていたんでしょうネ?

 ① 単純に喜んだ。
 ② 「失礼な!」 と怒った。
 ③ 何でウケたのか? 日本語を知らないので戸惑った。


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