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安 楽

年は医療技術の進歩により、日本人の平均寿命は世界トップクラスを維持しています。


それ自体は大変良いことだとは思いますが、反面高齢者の介護・ケアに関しては公的援助の整備は遅れていると言わざるを得ない状況。


私は仕事柄、数多くの方の最期に接しておりますが、長年介護に携わっていたご遺族から


「社長、こういう事言うとオヤジに叱られるかもしれないが・・・もし、あと1,2ヶ月オヤジに頑張られたら、オレや女房が倒れていたかもしれなかったですョ。」


という本音をお聞きする毎に、何ともやり切れない気持ちになります。


こういった問題に大きく関わってくる、というより避けて通れないのが

 安 楽 死

でしょう。 


1976(昭和51)年8月には東京で安楽死国際会議が開催され、


〝我々は、すべての人びとが、権利と自由を持つことを信ずる。 このことは、われわれに、品位ある死を選ぶ権利、すなわち安らかに苦しまないで死ぬ権利を確認するに至った。〟


などと嘔った 『東京宣言』 が採択されました。


そして今から25年前の今日・1993年11月30日に、オランダで世界初の安楽死を容認する法律が議会で可決されました。

(※翌年から施行)


安楽死は、大別して2種類に分けられます。


積極的安楽死=本人の自発的意志を前提として一定の条件を満たした場合、医師が自殺幇助を行うこと。


消極的安楽死=必要以上の延命治療を控え死に至らしめること。


消極的安楽死(自殺幇助)に関しては、我が国では 『尊厳死』 を同義語として用いています。


積極的安楽死に関しては、アメリカ(オレゴン州他3州)・オランダ・ベルギー・フランス・スイスで既に法制化し認可しているようです。

(※認可要件・条文はそれぞれ微妙に違っていますが・・・。)

安楽死を求める人の中には、わざわざスイスなどに行って思いを遂げる方もいるとか・・・。
うー


       


一方、日本ではどうでしょうか。


過去には、病気で苦しむ父親を見かねて毒殺した息子に対する名古屋高裁の判決(1962年)で示された 【安楽死の6要件】 が知られています。


1.病者が現代医学の知識と技術からみて不治の病に冒され、しかも

   その死が目前に迫っていること

2.病者の苦痛が甚だしく、何人も真にこれを見るに忍びない程度の

  ものなること
3.もっぱら病者の死苦の緩和の目的でなされたこと
4.病者の意識がなお明瞭であって意思を表明できる場合には、本人


     の真摯な承諾のあること

5.医師の手によることを本則とし、これにより得ない場合には医師に


    より得ないと首肯するに足る特別な事情があること
6.その方法が倫理的にも妥当なものとして認容しうるものなること


また近年、日本で安楽死についての議論が高まるきっかけとなった、『東海大学安楽死事件』(ガン末期で昏睡状態の続く男性に対し、長男に 「楽にしてやってほしい」 と執拗に懇願され、担当内科医が塩化カリウムを投与して死に至らしめ、殺人罪に問われた事件。 判決は執行猶予付きの有罪) に関して、1995年に横浜地裁が示した許容条件は以下の4点でした。


1.患者に耐え難い激しい肉体的苦痛に苦しんでいること

2.患者は死が避けられず、その死期が迫っていること

3.患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、他に代替

  手段がないこと

4.生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること


とは言え、現在の日本では積極的安楽死に関して未だ法制化されていません。


しかし一方で、重病患者を抱えるご家族が肉体的・精神的・経済的に苦しんでいらっしゃる現状があります。

法制化されなければ、冒頭ご紹介したご家族以上の悲劇が至る所で起きる可能性が・・・。


過去の事例を見れば〝本人の意思表示〟があるかどうかが重要なポイントだと言えましょう。


自分はどんな最期を迎えたいのか?

それとも、どんなことをしても生き抜きたいのか?


これは誰にとっても決して避けて通れない問題であり、私は既に明確な意志を女房に伝えてありますが・・・皆さんはどうお考えになるでしょうか?

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