FC2ブログ
抗 議

プロ野球の日本一を決める『日本シリーズ』、今年は広島カープと福岡ソフトバンクが今月27日から激突します。


プロ野球ファンにとっては忘れられない名試合が数多く生まれてきた同シリーズですが、おそらく中高年世代の方は今からちょうど40年前の今日・1978(昭和53)年10月22日に行われた

 ヤクルト-阪急 第7戦


を憶えておられるはず。

それは、広岡達郎監督率いるヤクルトが球団史上初めて日本一になったから・・・というより、シリーズ史上最長の1時間19分という試合中断があったからかも。

3勝3敗で迎えた最終戦は晴天の後楽園球場で行われたのですが、事件は1-0でリードしたヤクルト6回裏の攻撃で起きました。

阪急のベテラン・エース足立選手がカウント1-1から投じた3球目を主砲・大杉選手がジャストミートし、打球はライナーで左翼席へ。

富田レフト線審はポールの真上を通過したとしてホームランの判定でしたが、これに阪急・上田監督が 「ファールやないか!」 と、ポール下まで駆けつけて猛抗議。


※お時間のある方は、動画をご覧ください。

  45秒過ぎから問題の大杉選手の打席が始まります。(↓)



画像が粗いので、この動画だけでは判定できませんが、左翼席の観客は一様にファウルのゼスチャーをしていましたし、ボールを拾ったヤクルト・ファンの男性は新聞記者の取材に 「完全にファウル」 と断言。

私自身この日は日曜日で大学リーグ戦の試合があったため、夜帰宅してからスポーツニュースでビデオを観ましたが、「なんだ、完全にファウルじゃん。」 と呆れたことを記憶しています。


しかし覆らない判定に激怒した上田監督は、守備についていた選手をベンチに引き上げさせて、態度を硬化。

更に試合再開の条件として富田線審の交代を要求するも、ルール上認められるわけもなし。

執拗に粘る上田監督の説得に、客席で観戦していた金子コミッショナーまで引っ張り出され、

「コミッショナーがこれだけ頼んでもダメか?」

と迫っても、上田監督は 「放棄試合でもええ。」 と首を縦には振りませんでした。

           


        上田監督(左上)と金子コミッショナー(右から2人目)

しかしいつまで経っても試合再開の目途が立たず、スタンドでは殺気立って喧嘩を始めるファンも出始めたため、遂に上田監督が1時間以上経過して選手を守備位置に戻し、試合はようやく再開。

後日、上田監督は 「試合を再開するタイミングを見計らっていた」 と語っていますが、長時間の中断でベテランの足立投手は膝に水がたまって投げられず。

2番手で出てきた前年の甲子園優勝投手でドラフト1位入団のルーキー・松本正志投手も一度傾いた流れは止められず。


更にエース山田投手が大杉選手にダメ押しの2打席連続ホームランを浴びて万事休す。

試合終了2時間足らずで、上田監督は

「4年連続日本一を逸し、最終戦で長時間抗議した責任と謝罪」

を理由に辞任を発表するという、後味の悪いシリーズとなりました。


勝負にタラレバは禁句でしたが、もしここまで執拗に抗議しなければ試合展開はまだ分かりませんでしたし、更に言うならもし現代のようにビデオ判定が導入されていれば、判定はファウルとなって結果は違ったものになっていたはず。

今年7月に逝去された上田監督は、おそらく最期まで 「あれはファウルだ!」 と信じ、そして怒っていたことでしょう。

〝勝負のアヤ〟というものを痛切に感じさせる、歴史的な試合ではありました。野球ボール


 


               人気ブログランキング

スポンサーサイト



コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック