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突 破

「記録は破られるためにある」 と言いますが・・・数ある世界記録の中でも、最も人類の進化を象徴するのは、陸上の男子100mでしょう。


過去何人もの選手がこの競技で記録を更新してきましたが、その中でも大きな節目である〝10秒の壁〟を、アメリカの


   ジム・ハインズ  選手
       James Ray "Jim" Hines


が人類史上初めて破る9秒95をマークしたのが、今からちょうど50年前の今日・1968年10月14日・・・メキシコ五輪の決勝レースでのことでした。


           


1946年にアーカンソー州で生まれたハインズは、元々野球選手。


しかしその走力をコーチに見出され、また東京五輪金メダリストのボブ・ヘイズ選手に憧れていた彼は陸上競技に転向。

 ※ヘイズ選手に関する過去記事は、こちら。(↓)



1868年6月に行われた五輪予選を兼ねた全米陸上選手権では手動計時で史上初めて10秒を切る9秒9をマーク。


そして世界中が歴史的瞬間を待ち望む中、全員が黒人選手というオリンピック史上初の決勝レースで見事新記録を樹立したのです。


※その歴史的レースの模様は、こちら。(



元々この大会は標高2,240mという高地のメキシコシティーで開催され、短距離種目には有利と言われていました。

実際走り幅跳びでは、アメリカのビーモン選手が8m90という、それまでの記録を一気に55cmも上回る〝オバケ〟記録を叩き出しましたし。


この記録はM・パウエル選手に破られるまで23年も要し、現在でも世界歴代2位の記録として残っています。


そしてこの夢の記録9秒95も、1983年にC・スミスが0.02秒上回る9秒93を記録するまで15年間も世界記録であり続けました。


400mリレーでも金メダルを獲得した彼は、その後ヘイズ選手同様アメリカン・フットボールのプロ選手になりましたが、1シーズン・11試合に出場しただけで引退。

ただスピードがあるだけでは通用しないことを証明する結果に。

この辺り、やはり日本の代表的スプリンターだった飯島秀雄選手が代走専門としてプロ野球・ロッテオリオンズに入団したもののパッとしなかったことと似ています。


さて、よく 「人類史上、最速の男は誰か?」 という話題が出ます。


もちろん記録から見れば、現代の選手の方が早いのは事実ですが、距離は同じ100mでも時代によってトラックやシューズなど用具は昔とかなり違います。


例えば東京五輪で手動計時10秒0の世界タイ記録で優勝したボブ・ヘイズ選手はレンガを砕いたアンツーカー・トラックの、それも他の種目で多くの選手が走る荒れた第1コースでした。


またハインズ選手の走ったメキシコ五輪のトラックは全天候型。


そしてカール・ルイス選手やウサイン・ボルト選手の履くシューズは100g台の超軽量で、ヘイズ・ハインズ両選手らの時代とは比較になりません。


果たして最新技術を駆使した現在のトラックで同じシューズを履いて走らせたら、誰が一番速いのか?

そんな興味のある方に、本を一冊ご紹介しましょう。 書名はズバリ、


 『10秒の壁』 (小川 勝・著  集英社新書・刊)


        


この本には、世界最速の男が誰かを推し量る上で面白いデータが示されています。


今まで9秒台の記録を出した選手は、カール・ルイス選手 (188cm) の43.0歩からモーリス・グリーン選手 (176cm) の45.6歩まで、全員が100mを43~46歩未満で走っているとのこと。


ちなみにヘイズ選手は180.3cm、ハインズ選手が183cm。


ところがボルト選手(196cm)の走りをVTRで見ると、なんと彼はたった41歩 (※単純計算で歩幅が2.44m、即ちトップスピード時はタタミ1.5畳弱をひと跨ぎ) で駆け抜けているのです。

ということは、史上最速ランナーはボルトということになりますか。


昨年日本人で初めて10秒を切った桐生祥秀選手は身長175cm。


彼はこのストライド理論を打ち破る例外となって、東京五輪でメダルを獲得できるかどうか?

9秒79の記録を持つアメリカのモーリス・グリーン選手が彼と同じ175cmですから、可能性はゼロではないと思うのですが・・・果たして?


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