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一 言

今は亡き先代(5代目)三遊亭圓楽師匠は、長らく人気TV番組『笑点』の司会を務めるなど、人気・実力とも一流の落語家でした。

しかしそんな圓楽師匠にも、かつては思い悩んだ時期があったとか・・・。

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私だって、真打になる2年くらい前に、批評家に

「師匠・圓生の真似だ」、「落語家としての素質なし」

なんて酷いことを書かれました。

そりゃあ、ショックを受けました。

「いっそのこと、死んじゃおいか」とまで思いつめたくらい。

しかし稽古をさぼっているならいざ知らず、人一倍努力しているつもりなのに、どうにも芸が伸び悩んでいる・・・という自覚もあったんです。

それで、食事も喉を通らなくなってしまったんです。

それを見かねたんでしょう、突然お袋が、

「お前の落語を見せとくれ」

と言ってきた。


          


肉親を目の前にして、それもサシで落語なんて出来るもんじゃありません。

それでしぶってますと、お袋がどうしてもって言う。

観念して、実家の寺の本堂でお袋ひとりを前に、落語をやりました。

ところが、お袋はじいっと聞いてるだけで、私とは目を合わそうともしない。

で、終わってから、こう聞いたんです。

「下手だろう?」

ところがお袋は静かに、

「いいや、お前は名人だょ。」

もちろんそんなはずはないんです。

だけど、我が子を励まそうと思って、ああ言った。

その気持ちを思って、朝まで泣きました。

言葉っていうのは、短いほど人に感動を与えるものですね。

落語も同じで、饒舌であるよりも無駄を省いた一言がここぞという所で効いてくる。

そのことを教わった気がします。

以来、迷いがふっ切れて落語に邁進できたんです。

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嗚呼、母の愛は海より深し・・・今日は、母の日です。カーネーション



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