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五 衰

今日は、我が愛読誌・月刊 『致知』 7月号より、編集発行人・藤尾秀昭氏の巻頭エッセーを以下に編集・抜粋にてご紹介致します。

          ◆     ◆     ◆     ◆


木が弱り衰えていくのには5つの段階がある、と安岡正篤師が言っている。

〝木の五衰〟である。

その第1は〝懐の蒸れ〟。 枝葉が繁り過ぎると日当たりも風通しも悪くなり、木の根幹が弱ってくる。

この状態が続くと、根が上がってくる。
これを〝裾上がり〟という。

そうなると、木は頭から枯れてくる。 〝末(うら)枯れ〟である。
末とは梢(こずえ)のことである。

梢が枯れてくると、〝末止まり〟となる。
成長が止まるのである。


この頃になると、いろいろな害虫がつき始める。 〝虫喰い〟である。

この木の五衰を避けるには、枝葉が繁ってきた段階で刈り取ること、即ち省くことだと安岡師は説き、人間もまた同じだと言う。


       

                  安岡正篤 師


人間も貪欲・多欲になって修養しない、つまり省かなくなると風通しが悪くなり、真理や教えが耳に入らなくなり、善語善言を学ぼうとしなくなる。

これは〝裾上がり〟で、そうなると〝末枯れ〟が起こり〝末止まり〟となる。

人間が軽薄・オッチョコチョイになり、進歩が止まってしまう。
挙句はつまらない人や事に関わり、取り憑かれて没落する。

〝虫喰い〟である。

これを〝人間の五衰〟と言う、と安岡師は人間の通弊を突いているが、こういう人に花が咲かないのは自明の理であろう。

では、人間の花はどういう人に咲くのだろうか。
あるいは人間の花を咲かせるために大事なことは何だろうか。

安岡師の言葉に見る通り、雑念・妄念を心に茂らせている人に花は咲かない。

心の雑草を取り去り、よく手入れし、調和させている人、心の力を良く知る人のみが、人間の花を咲かせるのだろう。

『易経』にこういう言葉がある。
「性を尽くして命に至る」

自分が天から授かったもの、持って生まれた能力をすべて発揮していくことで天命に至る、というのである。

天命に至る道は、そのまま人間の花を咲かせる道である。
このことを深く肝に銘じたい。

最後に、花はすぐには咲かない。


凡事の徹底と長い歳月の掛け算の上に咲くものであることを忘れてはならない。


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