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破滅型

今日・6月13日は、日本文学界にその名を残し、今でも生家を訪れるファンが絶えないという作家、

 太 宰 治


の命日・没後70周年にあたります。


       

太宰(本名:津島修治)は、1909(明治42)年、青森県内有数の大地主で衆議院議員・貴族院議員も務めた津島源右衛門の六男(11人兄弟の10番目)として、現在の五所川原市で生まれました。

父親が多忙で母親が病弱だったため、生まれてすぐに乳母に育てられ、彼女が1年で辞めた後は金木第一尋常小学校入学まで10代の女中に育てられたという彼は、開校以来の秀才と言われるほど頭脳明晰でした。

父親が肺癌で逝去した後、旧制青森中学校に入学。
同校でも成績優秀で級長も務めた彼は、この時期に芥川龍之介・菊池寛・志賀直哉・井伏鱒二らの作品を愛読し、文学に傾倒。

在学中・17歳の時に 『最後の太閤』 を書き、同人誌を発行した彼は、作家を志すように。

そんな彼に衝撃を与えたのは、旧制弘前高等学校在学中の1927(昭和2)年に芥川龍之介が自殺したことでした。


ショックでしばらく寮に引きこもったという彼は、その後花柳界に興味を抱き、通ううちに芸者の小山初代と深い仲に。


そして1929年12月には自殺未遂を引き起こします。
(これは弘高の左翼活動に関して作品を書いた彼が、特高の手から逃れるためのものだったとする説あり。)


翌年弘高を卒業した彼は、フランス文学に憧れて東京帝大文学部仏文科に(無試験で)入学。

しかしフランス語が全く分からない彼は授業についていけず、やがて敬愛する井伏鱒二に弟子入り。

初代との結婚を望み、実家から除籍を条件に承諾を取り付けますが、その除籍手続きが済んだ10日後に、銀座のバーの18歳の女給と鎌倉でカルモチン(モノウレイド系の化合物)を飲んで心中を図ります。


女性だけが死んで彼は生き残ったため、自殺幇助罪に問われるも、起訴猶予に。

その翌月に初代と仮祝言を挙げ、翌年2月から彼女と東京で所帯を持った太宰は、1932年には作家になる覚悟を固め、左翼活動から身を引きました。

しかし文学雑誌などに作品を発表したものの、大学を留年し実家からの学費援助打ち切りを恐れた彼は、またしても自殺未遂を引き起こし、挙句に学費滞納で大学から除籍処分に。

またその直前に手術の際使用したパビナール(オキシコドン)の中毒になった彼は、次第に使用量が増え、酷い時には1日50本も打つように。

初代の着物を質入れしたばかりか友人から借金して買い求めるようになり、1937年3月に初代とカルモチンを飲んで心中を試みたものの2人とも生き残り、その後初代とは離婚。

翌年、師・井伏鱒二の紹介で知り合った地質学者・石原初太郎の四女と結婚した彼は一旦生活が安定し、『女生徒』・『富岳百景』・『走れメロス』 などの作品を発表。

『女生徒』が川端康成に激賞されたことで、執筆依頼が殺到するように。

1941年には肺湿潤により兵役を免れた彼は、『津軽』・『右大臣実朝』などを発表。

戦後の1947年に発表した 『斜陽』 がベストセラーとなり、〝斜陽族〟が流行語になったそうですが、同作品の完成前後に戦前から知り合いだった詩人・太田静代との間に子が生まれ、認知。

1948年に 『人間失格』 を発表した頃には、美容師・山崎富栄が彼の愛人兼秘書のように寄り添っていたとか。


       

その彼女の貯金もすべて遊興費で使い果たした彼は、1948(昭和23)年6月13日に彼女共々玉川上水で入水自殺を遂げ、38歳の短い人生に自ら幕を降ろしたのです。

遺体が発見されたのはその6日後、奇しくも太宰の誕生日でした。

この自殺に関しては当時様々な憶測が囁かれましたが、今から20年前即ち没後50周年に遺族が公開した遺書には

「小説を書くのがいやになつたから死ぬのです」

と記されていたそうな。


私にとって太宰治は、中学の教科書で読んだ『走れメロス』の作者というイメージが強く、正直その生き方には全く共感できなかったこともあり、それ以外の作品はそれ程読んではいません。

とは言いながら、その昔損保の銀座営業所勤務時代、彼が行きつけだった銀座5丁目のバー 『ルパン』 に行き、わざわざ彼の定席だったというカウンター奥の丸椅子に同じ格好で腰かけて悦に入ったことも。

        


身長175cmと当時としては大柄で、足のサイズが11文(27.5cm)の大足だったそうですから、体格的にも私をほんのちょっと小さくした感じ。

私がかつて転勤で赴任した青森出身であることも併せ考えてみると、ちょっと親近感が湧いてきます。

ってことで、今宵は彼の作品を久しぶりに読み返しつつ、あらためて冥福を祈りたいと存じます。笑3


       


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