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名 器

『弘法筆を選ばず』 という諺がありますが、実際にはどの世界でも一流人は一級品の道具を使うのが常識。


そして、ことクラシック音楽界において超一級品の折紙がつく楽器といえば、この方が製作した弦楽器に止めを刺すでしょう。


 アントニオ・ストラディバリ

     Antonio Stradivari


今日は、この天才職人の命日・没後280周年にあたります。


 


ストラディバリは、1644年のイタリア生まれ(とされています)。


20代前半から30代半ばまでニコロ・アマティの弟子として修業し、1680年に独立しクメモナに工房を持った時点で、名声を得ていたといいます。


以降、1737年12月18日に93歳で没するまで、約1,200梃もの楽器を製作したといわれています。


彼の作品にはAntonius Stradivarius Cremonenfis というラベルが貼られていることから 『ストラディヴァリウス」』と呼ばれ、ヴァイオリニストや蒐集家から絶大な人気があり、億円単位の超高値で取引されることでも知られています。


 

そのせいか、現存する彼の作品はヴァイオリンが約600梃、他の楽器 (ヴィオラ・チェロ・ギター等) が約650梃と言われているのに、鑑定書付きのストラディバリは約2,000梃もあるそうで、偽ラベルが貼られた贋作や複製楽器が数多く出回っているようです。


なぜストラディバリの作品がそれ程の銘器と言われるのか?

もちろん彼の卓越した技術と経年による材質の変化によるところが大きいのでしょうが、その音色が他の追随を許さぬほど美しいといわれるから。


しかしTV番組の企画で、一梃10万円そこそこのヴァイオリンと聴き比べて、どちらがストラディバリウスか当てるというエグい企画があり、私も観ていましたが・・・さっぱり違いが分かりませんでした。


また別の番組では、一流のヴァイオリニストが聴き比べても判別できなかったとか。


やはりストラディバリウスという名前を聞いただけで、その音色に艶が出てしまう・・・なんて言ったら、家を売ってまでこの名器を手に入れたヴァイオリニストに怒られそう。


現世に於いて自らの作品がこれほど神格化されていることを知ったら、ストラディバリはどう思うんでしょうネ。


でもそんなストラディバリウスが、音楽とは関係ない多くの人々に役立ったことをご存知でしょうか?

日本音楽財団が、東日本大震災直後の2011年6月に、自ら所有していた〝レディー・ブラント〟をロンドンのオークションに出品し、なんとそれまでの最高額・2億9千万円を大きく上回る12億7千万円で
売却し、その収益金を義捐金として寄付したのです。



      
                  
Lady Blunt


同財団が所有する楽器を売却したのは、初めてでした。


「コレクションは大変重要なものだが、被災者支援のために日本人同士できることは何でも助け合わねばならない」

という同財団の心意気には、拍手を送りたいですょネ。


こういう高値の取引ならば、天国のストラディバリもきっと喜んでくれることでしょう。


それでは、その12億7千万円のヴァイオリンの音色を、こちらでチラッとお聴きください。

1971年に名ヴァイオリニストのユーディ・メニューインがオークション会場で試奏している動画です。





どうです、普通のヴァイオリンとは響きが違うでしょう?あせあせ


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