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口 伝

歴史的な遺産である奈良・京都の神社仏閣の修繕等で、なくてはならない職人さん・・・といえば、宮大工。

今日はその中でも奈良の名刹・法隆寺に大変縁が深い〝昭和の名棟梁〟


 西岡 常一 氏


の命日・没後20周年にあたります。


        


西岡氏は1908(明治41)年の生まれ。


西岡家の祖先は、豊臣秀吉の大阪城築城に参加し、抜け穴などの軍事機密に属する場所の工事に携わったことで打ち首になる寸前、法隆寺村に隣接する片桐村の領主に救われてそのまま住みついたのだとか。


明治維新以降、祖父・父と法隆寺付宮大工だったため、長男だった常一氏本人も小さい時から家業を後継ぐのは当然と思っていたそうです。


1934~54年にかけての法隆寺昭和大修理や薬師寺三蔵新伽藍造営、またその他の寺院修理を実行・指揮するなど、歴史に残る大仕事をされた常一氏が、祖父・父から受けた教育は、実に興味深いものです。


「土を知れ 木と話せ 」


宮大工を務めるために、農学校に行かされた常一氏。


そして夜はあんまをしながら、祖父の話を聞く毎日。


そして20歳の時、営繕大工として認められた常一氏は、正座して祖父から家訓・・・すなわち〝口伝〟を授かります。


「仏法を知らずして堂塔伽藍を論ずべからず」

「天神地祇を拝さずして宮を口にすべからず」

そしてこれは特に有名ですが、


「 塔組は木組み。 木組みは木の癖組み。

 木の癖組みは人組み。 人組みは人の心組み。

 人の心組みは棟梁の工人への思いやり。

 工人の非を責めず己の不徳を思え。」



この教え、全ての人々に役立つ言葉ですょネ。


西岡氏には何冊かの著作がありますが、一千年以上残った木造建築を守る宮大工としての技術的苦心もさることながら、(弟子の)教育について多くを学ばされます。


       ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-西岡常一

       『口伝の重み』(日経ビジネス人文庫・刊)


いつの頃からか、日本には〝マニュアル〟 なるものが登場しました。


確かに全国展開のチェーン店などで均一のサービスを行うためには有効なツールではありますが、それはあくまでも表面上・形だけに終わりがち。


常一氏の言葉からは、先人から受け継がれた思想・技術を伝承していくためには、多くの時間と双方の忍耐が必要であることを思い知らされます。


西岡家の口伝ではないですが・・・昭和の大修理に入る前、常一氏が法隆寺の佐伯管長から法華経全13巻を読まされた話などに、その奥深さを感じてしまいます。


宮大工もそうですが、能・歌舞伎・落語などの伝統芸能や将棋・板前の世界では、その道に進もうとする若者は師匠に弟子入りし、無給・住み込みでその技を盗むのが当たり前でした。


1995年4月11日に86歳で亡くなる少し前まで現場指導を続けられた西岡氏は、口伝だけでなく自らの仕事ぶりを見せることで、無形の財産を弟子たちに伝えたかったのでしょう。


それがいつの頃からでしょう・・・「週休2日じゃなきゃイヤだ」 なんて会社を選り好みし、ロクに仕事も出来ない内から 「給料が安い」 なんて平気で文句を言うサラリーマンが増えたのは。


〝プロフェッショナルとは、何か?〟 


そんなことを、西岡氏の言葉からあらためて考えさせられます。


ところで皆さんのお宅には、(先祖代々受け継がれた)口伝・家訓はありますか?


我が家にもありますョ。


『果報は寝て待て!』 うー コラコラ





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