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正 史

我が国に現存する最古の正史書といえば、皆さんもよく耳にするであろう

 日本書紀

※但しその日本書紀によれば、それより100年前の620(推古天皇28)年に聖徳太子・蘇我馬子が編纂した『天皇記』・『国記』が史書として存在したものの、蘇我入鹿が暗殺され大化の改新への転機となる645(皇極天皇4)年6月に起きた〝乙巳(いっし)の変〟の際に焼失したとのこと。


同書30巻と系図1巻が舎人親王によって完成・撰上されたのが、今からちょうど1,300年前の今日だったそうな。


     
               国会図書館・蔵 写本


同書の編纂を命じたのは、第40代・天武天皇。
※舎人親王は、天武天皇の皇子。


実はこの方、712年に完成した 『古事記』 の編纂をも命じています。


    

「あれ、じゃあ古事記の方が古いんじゃ?」

とお気づきの方が多いと思いますが、同じ歴史書ではあるものの両者には違いがあります。

稗田阿礼・太安万侶によって急ピッチで編纂され、第43代・元明天皇に献じられた 『古事記』3巻は、天皇家の歴史をまとめ、その正当性を国内向けにアピールしたもの。

神代における天地の始まりから史上初の女性天皇となった第33代・推古天皇(554-628)時代に至るまでの様々な出来事が物語風に記されています。

残念ながら正本は現存せず、写本が2種類残されているのみ。

これに対して 『日本書紀』は、唐や朝鮮半島を意識して自国の歴史をアピールすべく漢文で書かれており、神話を大幅に削り、かつ川島皇子・忍壁皇子ら12人の皇族・豪族・官吏12人の手にって39年もの歳月をかけて編纂された、神代から第41代・持統天皇までの正史といえます。

もっとも正史とは言え、時の権力者に遠慮していることが伺えるようですが・・・。


従って、ほぼ同じ時代について記されていながら、内容にはかなり違う部分が。


たとえば、有名なヤマトタケルについて古事記は乱暴者という扱いながら、日本書紀ではヒーローのように描かれているそうですから。

歴史とは、たとえ事実がひとつでも見る者の立場によって全くその表現が違ってくるということを示してくれています。


また日本書紀は古事記と違い、ひとつの出来事について異論も併記されていることが特徴だそうで、更に後々加筆修正が行われていることが分かっていることから、正史とはいえ真実を伝えているとは言い切れません。

貴重な史料であることは間違いありませんが、歴史学者を悩ませる正史書だと言えましょうか。

日本の古代史に興味のある方は、岩波書店から文庫全5巻で発売されていますので、ご一読ください。


    


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