SPYじゃなくて、JPY・・・何のことかすぐに分かるのは、為替取引関係者だけかもしれませんネ。
これは、各国・各地域の通貨を3文字のコードで記述できるように〝ISO 4217〟で決められた我が国の通貨、
〝 円 〟
の表記なんですが・・・今日はその 『円の日』 なのだそうです。
今から151年前の今日・1869(明治2)年3月4日に、明治政府が円形の貨幣を鋳造する新円貨制度を定めたことが、その由来。
1870(明治3)年発行の20圓金貨
時代劇で使われている貨幣単位は、〝両〟とか〝銭〟。
これがいつから現在のような〝円〟になったのか?
そのルーツは、1871(明治4)年5月に制定された新貨条例で、通貨単位に〝円(※当初は圓)〟を使用するよう定めたこと。
では、なぜ新単位が〝円〟になったのか?
これは支那において18世紀頃からスペインやその植民地だったメキシコから銀の鋳造貨幣が流入し、それが円形だったことから〝銀円〟と呼ばれていたのを真似たのだとか。
ちなみに現在の支那の貨幣単位は〝元〟ですが、英語表記は “yuan ”。
日本の円と似ていますが、そもそも〝元〟も正式表記は〝圓〟。
更には、韓国のウォンも円の朝鮮語読みだとか。
ルーツは同じ、というわけです。
(※ただし他に 「貨幣の形状を全て円形に統一したから」 とか 「既に江戸末期には知識層の間で〝両〟を〝円〟と呼んでいたから」 ・・・などの説もあります。)
それから、皆さんは不思議に思ったことがありませんか?
なぜ円のローマ字(英語)表記が、“en ” ではなく “yen ” なのか。
これは明治維新前後に欧米人が円を〝yen〟と綴ったから。
初めて出された本格的な英和・和英辞典であるヘボンの 『和英語林集成』 では、エ〟で始まる単語表記は全て “ye ” と綴られていたそうな。
後の辞書では “en ” に修正されましたが既に “yen ” が定着しており、また欧米人が “en ” を発音すると 「エン」 ではなく 「イン」 になることから、現在に至るまで “yen ” 表記が続けられているとのこと。
また円の記号として〝 ¥ 〟が使用されていますが、これは見てのとおり “yen ” の頭文字〝 Y 〟に、ドル同様2本線を入れたもの。
もしこれが当初から “en ” だったら、〝 e 〟か〝 E 〟に縦線が2本になったかも。
でもそれでは電子マネーと紛らわしくなったかもしれませんネ。
『円』 と “yen ”と〝 ¥ 〟、これは今後まず変わることはないでしょう。
隣国に侵略・占領される、なんて事態にさえならなければ。
